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カテゴリ:最近読んだ本( 64 )

西野 亮廣は興味深い


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村田沙耶香 文藝春秋 2016年

現代の実存を問い、
正常と異常の境目がゆらぐ衝撃のリアリズム小説。

内容(「BOOK」データベースより)
36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが…。「普通」とは何か?現代の実存を軽やかに問う衝撃作。
第155回芥川賞受賞。

う~んという感じの読後感。
正社員としての就職はせず、30代なかばになってもコンビのアルバイト店員を続ける。恋愛経験はゼロ。
コンビニ店の中では頼りになるベテランとして自分の存在感を確認する。
コンビニで働くことが生きがいになってくる主人公。読者としては、小説の主人公に対して、どこか共感が持てる描写があればいいのだろうけど、それは最後まで持てなかった。それがきっといい読後感にならなかった原因だと思った。





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西野 亮廣 幻冬舎 2017年
内容紹介
クラウドファンディングで国内歴代最高となる総額1億円を個人で調達し、絵本『えんとつ町のプペル』を作り、30万部突破のメガヒットへと導いた天才クリエイターが語る、"現代のお金の作り方と使い方"と最強の広告戦略、そして、これからの時代の働き方。

こちらは面白い。現代という現実をしっかり捉えてそれを広告戦略としてどうやればいいのかを実例を示して披瀝している。
作者はお笑いコンビ「キングコング」として活動しながら絵本を出版し、大ベストセラー作家に。絵本業界では5,000部以上売れるとヒット作になるが、彼の出したオリジナル作品は30万部を越える。以降、彼の出した本はすべてベストセラーに。
一例を挙げると
最初に出した絵本は資金をクラウドファンデイングで呼びかけ一億円を集めてしまう。それが話題になる。メデイアが取り上げてくれる。それだけでもう広告宣伝になっている。そして彼は出版社から自分の本を一万部買い取る。理由は出版社がこの本が売れるかどうか懐疑的だからだ。つまり採算を心配しているからだ。なので自分が定価で買い取るという手段に出た。そして自分自身でも本を売ることにする。読者からの注文がくれば自分が発送する。出版社は注文が来ると本屋に発送するだけだからだ。西野氏は結局引きとった一万部すべて発送した。つまり自己負担はゼロになった。

次の手は、絵本をすべてネットで無料公開してしまった。
これには出版社やクリエーター連中からの非難がすごかったらしい。無料で公開なんてあり得ないと。しかし彼には自信があった。
結果、本はされに爆発的に売れた。
「映画でもコンサートでも観てよかった、聞きに行ってよかったとか、そういう気持ちになりたい。だから出かける。でかけてみてガッカリしたくない。だからがっかりしないもの、間違いないものを求める。みんな確認したいんです。ネット公開してそれを読む、そして間違いないと思った人が買ってくれる。ストーリーはもうわかっているのにです。実際に手に取り、子供に読んであげる、そのために買うんです。ネットの画面では読み聞かせは出来ないからです。」
そしてこんどはその手法が評判になる。自分がTVや雑誌などに出演しないくてもいろんなところで勝手にニュースにしてくれる。そのたびに本のタイトルを連呼してくれる。
どうだろうか。

「みんな確認したいんです、折角お金を出して手に入れるんですから、そのための情報をメデイアや口コミで知りたいんです、よしこれは間違いないだろうと」「しかも費用はゼロ」
こういう広告戦略。
これは本の中のほんの一例。
それ以外にもいろんな実際例が書かれていて興味深い。

実に今の時代を読んでいる。
子供向けの絵本業界は今までなにをやっていたんだろうという。
そしてこの手法は、結果、本物だけが生き残って行くことになるという。
人気スポット、おいしいと噂の食べ物、使い勝手のいい日用品、なんでも対象になる。
ニセモノは淘汰され消えてゆく。





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by 2006taicho | 2018-04-07 12:23 | 最近読んだ本 | Comments(0)

地球がもたない

しばらくご無沙汰だった読んだ本の紹介。
本日はまとめて紹介します。
残念ながらすべて調査&レポートものです。
小説やエッセイなど文学的なものも紹介したいのですが、今はちょっとそんな時期ではないという勝手な思い込みでこうなりました。

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d0098363_042591.jpg「300人委員会」ジョン・コールマン博士の迫る破局 生き残る道
ジョン コールマン (著),‎ John Coleman (原著),‎ & 1 その他
成甲書房 (2001/12) amazon-中古328円 単行本


◆著者はかつて1%の組織に属していた人物。タイトルに「300人委員会」とあるのはそれを表現しています。
支配層たちがどんな計画を立て、それを実行してきたか、そして次の計画は?
まあ本当に内容は十分衝撃的です。
2001年出版なので当時の状況と今は違いますが、そんなことは関係ない内容。





d0098363_0475918.jpg炎上する世界経済
日本人だけが知らない国際金融の残酷な現実 単行本(ソフトカバー) – 2017/8/18
鈴木啓功 (著)
イースト・プレス (2017/8/18) amazon 1,836円

◆この本は昨年8月の出版なので、トランプのことなど非常にタイムリーな内容。世界経済と歴史を視点に支配層の謀略、つまり本当はこうだったという解説をして内実を暴いています。
当面はトランプの抹殺、副大統領ペンスの起用という予測をしています。
そして次は世界人口の削減を支配層は企てていると。その手法は一言でいうと第三次世界大戦。





d0098363_052930.jpg世界を騙し続けた [詐欺]経済学原論
「通貨発行権」を牛耳る国際銀行家をこうして覆せ 単行本
天野 統康 (著)
出版社: ヒカルランド (2016/4/27) amazon中古1,137円

◆世界を支配しているお金=通貨がどんな仕組みになっているかを解説。非常に勉強になりました。
銀行は無=ゼロの元手でお金を印刷して儲けているという。
庶民の預金を元手に、大会社などに貸付け、利息で儲けているなんていうのは彼がばらまいた幻想(洗脳)だと言っています。
世界中の経済学者が決して触れないこととは?これがわかりやすく説明されています。





d0098363_0563788.jpg世界を騙し続けた [洗脳]政治学原論 〈政「金」一致型民主社会〉へのパラダイム・シフト 天野 統康 (著)
出版社: ヒカルランド (2016/5/24) 
amazon中古 1,990円

◆上記の経済編に対してこちら政治編です。つまり世界経済をどんな手法で操っているかということ。それには民主的に選ばれた政治家を操ればいいということ。人々はみんなで政治家を選んでいるんだと、それが民主主義だと、疑わないうように仕組んでいる仕掛けを解説。









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d0098363_082544.jpg医療殺戮
ユースタス・マリンズ (著),‎ 内海聡 (監修),‎ & 1 その他
ともはつよし社 (2014/11/28) 単行本 3,600円

◆これはもう絶句です。あまりにひどい。
アメリカの医薬業界の腐敗がどんだけひどいかを告発しています。
その黒幕はロックフェラー財団です。寄付で有名なロックフェラー財団ですが、慈善団体の本当の姿を暴露しています。
政府の公式機関、大学、研究所、支援する慈善団体、すべてロックフェラーの息がかかっています。そしてアメリカ大統領もです。
医薬品の開発、臨床試験、認可などすべてロックフェラーの経営する組織が儲けるようになっています。
アメリカ国内で医療費破産が多発している現状とその原因がここにあります。目的は中間層の撲滅です。堤未果氏の「㈱貧困大陸アメリカ」のレポートと一致します。
恐ろしいのは病気を意図的に発生するくすりを開発し、それをアメリカ国民が長いこと信用して毎日飲んでいることです。それは現在も続いています。
目的は医薬品による人口減です。
アメリカの医薬業界は最先端だというのが恐らく我々日本人の認識ですが、もうそれはやめなければ駄目です。殺されます。





d0098363_091292.jpgウォーター・ビジネス
世界の水資源・水道民営化・水処理技術・ボトルウォーターをめぐる壮絶なる戦い
モード・バーロウ (編集),‎ 佐久間智子 (翻訳)
作品社 (2008/11/29) 中古38円単行本

◆こちらは支配層たちの「水に関わる戦略」がどういう意図でやっているかを謙虚に証明しています。
お金を払わないと水を飲めない、というシステムにどんどん移行していることに警鐘を鳴らしています。
途上国では水道事業が民営化され、水道料金は3倍になり、支払えない家の元栓は閉められています。
ヨーロッパ各国では公営化に戻す自治体が増えています。
水は基本的人権ー生存権だということです。
戦争のほとんどは水の利権が原因です。
それが今、途上国をターゲットに支配されつつあります。
今日現在、20億の人々が安心な水を飲めない状況にあります。
中国では国民の70%が安心とは言えない水を毎日飲んでいます。
インドも同じです。
先進国の人はそれを知りません。
国連、国際開発銀行、世界銀行、IMF国際通貨基金など、およそ世界組織といわれるものはすべて支配層がその幹部や代表です。
都市化で道路やビルが建てられ整備され快適になっています。
しかし、雨水はその御蔭で行き場を失い蒸発か下水道に向かっています。
雨水は本来、地中に沁み込み地下水になるべきものでした。
そしてそれが地中の温度調節を可能にし、地下水となり人間への供給を可能してきました。
つまり地球の循環機能を担っていたということです。
それが崩れれば気候変動は当たり前でしょう。
川の水が不足すれば湖へそれが駄目なら井戸を掘り、地下水も汲み上げられています。工業の発展のおかげで水の需要は急速にアップし、もう限界に近い状態です。世界の川の多くが人間のせいで、海までたどり着けない状態になっています。
個人的にはこれだと思います。
支配層は地球に適切な人口は5億から10億人と見積もっています。
じゃあ今の人口をどうするか。あなたはどう思いますか?











d0098363_07982.jpg地球を変える男―放射性セシウムをプラチナに
大政 龍晋 (著) 出版社: JDC出版 (2014/3/25)
amazon1,620円


◆この本は?です。
この人の発明したガスを使えば福島原発の放射能汚染はなくなるというのです。しかもそこからプラチナを作ることが出来るとか。
気候変動の原因となっている二酸化炭素も減少させることが出来るとも。
内容が本当ならノーベル賞ものです。
勢いで買ってしまいました。





ロスチャイルド家の起源は1,700年代。ロックフェラー家は1,800年代。
世界支配層はロスチャイルド(ヨーロッパ)、ロックフェラー(アメリカ)の「対立」という報告もあります。

政治・経済・医学・環境(水)について読んだ本を紹介しましたが、もっとも危惧するのは水です。
それと医学ですね。医学の場合はほんとに仕組まれているという印象です。

人間の価値判断をお金にして支配するという考えはある意味人類の叡智かもしれません。
われわれはお金以外の価値判断ができない人間になっています。
「お金のない世界を」と言うとどう想像するでしょうか。
想像することが出来るでしょうか。
誰が食べ物を作るんだ、誰が物を作るんだ、みんな怠けてしまって世界はどうにもならなくなる、そう考えるのではないでしょうか。
でも、「お金を沢山持っている人が偉いのか?」という意識は失っていないと思います。

人数が増えた、じゃあ誰かに代わりに代表してやってもらおう、意見を聞いて同感した人にしよう、挙手でいいのか、それも多すぎるから選挙にしよう、演説をさせよう、それを聞いて投票にしよう、一人一票だ、
われわれの代表に村・町・市・県をうまく運営してもらおう。
そして最後は一番優秀な人に国もやってもらおう。
世界の人が支持している共通の考え方はこういうことです。
「民主主義」です。
社会主義とか共産主義と、独裁主義とかありましたが、今のところこれに代わる考えは出てきていません。
でもこの民主主義が今危機に瀕していると言う人が増えています。
確かにそう思うことが毎日世界中で起こっています。
話し合いの基本を忘れた動きが沢山あります。
それを忘れさせる最大の原因はお金ではないでしょうか。
それにひざまずいてしまっている勢力が民主主義を破壊しているのではないでしょうか、お金を使って。

しかし、彼らは地球のことに気がついたのではないでしょうか。
「やりすぎだった、このままじゃ地球がもたない」と。
それとも「地球なんてどうでもいい、もうすでに宇宙ステーションは完成している」とでも言うのでしょうか。
彼らならやりかねません。
実は完成しているし、人間の選別も終わっているから人類なんてどうでもいいと。
真実の多くは制御されています。

共通しているのは、地球の人口をどうするかということになります。

野菜や果物には旬(季節)があるんです。
一年中手に入るなんて実はおかしいんです。
なにかが使われているんです。
私たちはそれを進歩だと思ってきました。


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大手出版社が一社もない理由はお分かりですよね。







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by 2006taicho | 2018-01-28 04:04 | 最近読んだ本 | Comments(0)

『クライマーズ・ハイ』

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『クライマーズ・ハイ』横山 秀夫 (著) 2003年出版

(文春文庫) – 2006/6/10

Amazon中古 ¥ 1




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横山 秀夫(よこやま ひでお、1957年1月17日 - )は、東京都生まれの小説家、推理作家、漫画原作者。
東京都立向丘高等学校、国際商科大学(現在の東京国際大学)商学部卒業。1979年上毛新聞社に入社。以後12年間記者として勤務。1991年「ルパンの消息」が第9回サントリーミステリー大賞佳作を受賞したことを契機に退社。以後フリーランス・ライターとして『週刊少年マガジン』にて漫画原作(ながてゆか作画『PEAK!』など)や児童書の執筆、警備のアルバイトなどをする。1998年に「陰の季節」で第5回松本清張賞を受賞し小説家デビュー。




「動機」「半落ち」「ロクヨン」「陰の季節」など話題作満載の作家。
TVや映画化になった作品も多数。
上記の作品も読んだがこれが一番かな?

1985年、日航ジャンボ機が墜落し520名の乗客が亡くなった事故。
地元の新聞社でこの事故のキャップとなる主人公の葛藤。
著者は上毛新聞に12年勤務。
その経験をフルに生かしが作品で読み応え十分。

新聞社の、実態、内情が非常によくわかる。
社内の権力争い、足の引っ張り合い、意地の張り合い、ネタの奪い合い、出し抜こうと工作する姿。
家庭では息子との冷え切った関係。

地方紙というのはそうなのかと思ったこと。
ジャンボ機がどこに落ちたかで取材する熱意が違うということ。
つまり事件や事故の「発生場所」が重要だということ。
ジャンボ機がよその県に落ちたらここまで熱心に報道しない、他県に落ちたら他県の新聞社が頑張るというのが常識なんだと初めて知った。

もう一つは
作中に登場する、連合赤軍あさま山荘事件を取材した記者たちの優越意識。
新聞記者で歴史に残るような大事件を扱うというのは、こんなにも違うのかということ。
かれらは社内ではある種特別の目で観られる。
「俺はあの事件の現場にいたんだ、そこで取材をしたんだ」「記者としてこんな大事件を扱ったんだ」という認識。
後輩たちはその事実に畏敬の件を抱く。

しかし、一方で「いつまであの事件を鼻に引っかけているんだ」という批判的な視線もある。

なるほどねえと思う。
「長島と王を観ないで野球を語るな」みたいなことか。

だれかが言っていたけど、主人公は結局現場へは行かない。
現場へは部下が行き、そこから電話やFAXで原稿を送る。
当時は携帯なんかないから、現場記者の苦労は半端なものではない。
送られてくる記事は、現場があまりにも悲惨を極めているかという内容で、とてもそのまま掲載できない。
主人公は社内ですべての記事の指揮をとらなければならないから、現場へ行く時間が取れない。

具体的な内容は書かないほうがいいからここまで。

すばらしい作品だと思う。





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by 2006taicho | 2017-10-29 10:13 | 最近読んだ本 | Comments(0)

「新聞記者」

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『新聞記者』 望月 衣塑子

(角川新書) 新書 – 2017/10/12

¥ 864

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望月衣塑子
1975年、東京都生まれ。東京新聞社会部記者。
慶應義塾大学法学部卒業後、東京・中日新聞に入社。
千葉、神奈川、埼玉の各県警、東京地検特捜部などで事件を中心に取材する。
2004年、日本歯科医師連盟のヤミ献金疑惑の一連の事実をスクープし、自民党と医療業界の利権構造を暴く。
東京地裁・高裁での裁判を担当し、その後経済部記者、社会部遊軍記者として、防衛省の武器輸出、軍学共同などをテーマに取材。
17年4月以降は、森友学園・加計学園問題の取材チームの一員となり、取材をしながら官房長官会見で質問し続けている。
2児の母。




十日ほど前に出版されたいわゆる新刊本です。
基本は1,000円以上の本は買わないことにしているので、私としては高価な部類に入ります。


この人のことは今更説明は不要だと思います。
知らない人は自分で調べてください。
今、日本で一番有名な新聞記者です。

内容はほぼ自伝に近いです。
子供の頃は演劇に目覚めたこと、就職活動はほとんどの新聞社を受けたこと、新人研修では新聞販売店に一ヶ月住み込みで新聞配達をしたことなどが記されています。
駆け出し時代の先輩たちの教え、他社の記者の貴重なアドバイス、刑事からの教えなど、知らない世界が語られていて引き込まれます。
読売新聞の記者から誘いを受けて読売に行こうかと思ったことなどは、記者の世界の意外な部分が知れます。
そしてそれを堂々と本に書いているわけですから、東京新聞も太っ腹です。

やはり新聞記者は体力勝負なんですね。
結婚、出産、子育て、母の看病など私生活も語られています。

菅官房長官とのやりとりのあとは、注目の存在になり、右翼からは「望月を出せ」という電話が多くなり、社内では決して応じない体制をとったそうです。
人事異動についても上司の配慮など、彼女の成長をみながら配置していることがわかります。

印象に残ったのは、警察幹部との早朝マラソンの部分。
ある警察幹部が日課にしているマラソンに早朝から待ち伏せ、毎日一緒に走る。
特にスクープを狙ったわけではなく(本音はそうだが)とにかく毎日一緒に走った。
ある日、「望月、朝飯食っていけ」といわれて恐る恐る自宅に伺うと、三人分の朝食が用意されていたという部分。

もう一つは、あの詩織さんを取材したときのこと。
警察の事情聴取の内容、女性としての人権を無視したやり方に驚かされる。

ちなみに夫も新聞記者。
つい最近のことが語られているので引き込まれる。

アベともの筆頭である産経新聞に嫌気が差して、東京新聞に移籍する記者が多いのは事実でした。





業界の大先輩。岸井成格氏 73歳。

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現在大腸がんと戦っている。







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by 2006taicho | 2017-10-25 06:17 | 最近読んだ本 | Comments(0)

「証言拒否 上・下」

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『証言拒否 リンカーン弁護士(上・下)』

マイクル・コナリー (著), 古沢 嘉通 (翻訳)

(講談社文庫) 文庫 – 2016/2/13

amazon中古 11円

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マイクル・コナリー(Michael Connelly、1956年7月21日-)
フィラデルフィア出身のアメリカの探偵・犯罪小説家。
フロリダ大学を卒業し、フロリダやフィラデルフィアの新聞社でジャーナリストとして働く。彼の手がけた記事が、ピュリッツァー賞の最終選考まで残り、ロサンジェルス・タイムズ紙に引き抜かれる。
日本ではハードボイルド派小説家に分類されることが多い。



内容(「BOOK」データベースより)
ローン未払いを理由に家を差し押さえられたシングルマザーが、大手銀行副社長撲殺の容疑で逮捕された。
彼女は仲間を募って銀行の違法性に抗議するデモを繰り返す有名人。
高級車リンカーンを事務所代わりに金を稼ぐ、ロスきっての人気弁護士ミッキー・ハラーは社会的注目を集める容疑者の弁護に乗り出す。



サブプライムローンを背景にした法廷裁判もの。
面白いことは面白い。
まるでハリウッド映画のシナリオを読んでいる気分になってしまうけど。
法廷場面の描写、陪審員へのアピール、判事の性格描写、検察側との駆け引き、金融知識など非常に幅広い。

タイトルの「証言拒否」は検察側の証人がそれを行使したため、判決に重大な影響を与えることになったことを示唆している。
結末はこれまた意外なことに。

アメリカ映画の主人公は「バツイチで娘を溺愛している」という設定が多いのはなぜなんだろう。
前妻には冷たくされながらも、娘に会う時は喜び一杯になる。
そしてそれが生きがいになり、ひとたび娘に危険が迫ればどんなことをしてでも救いだすという設定。
あとは、何か訳ありの過去をひきずってたりするのも定番手法。
まあ、そうしたほうが生身の人間くさくて共感を呼びやすいのだろう。
つまり主人公は、「家族をなにより大事にする人物」という前提が流れている。
アメリカの実態がそうなっていないからだろうか。

もう一つは、アメリカ映画は上下関係がはっきりしていること。
ボス(上司や先輩や姉弟)が部下になにか指示するときは、かならず命令口調。
「今すぐだ、行って来い」「ドアを閉めろ」「ここから出て行け」「俺の前に二度と現れるな」など。
有無を言わせない口調が多い。
日本映画ではほとんど使われないセリフ。
日本映画だと「すぐ行ってきてくれ」「そんなことでどうする」「縁を切るっていうのか」
まあ文化の違いといえばそれまでだけど、相手を圧倒しないという日本人の思いがあるのだろうと思う。

それと、いつも思うのは、挨拶がわりに必ず相手の名前を言うことだ。
知り合いの家を訪ねた時は「やあジョージ調子はどうだ、クリス(奥さん)は元気かい」と言う。
ところが緊急事態が発生して、主人公が急いでいるときも「ジョージ」「クリス」と必ず名前だけは口にする。
言われた相手もその一言で今日はなにかあったんだと察する。
そして即、本題に入る。
初対面でも「ジョンでいいよ」とか言う。
日本ではまずこれはない。
それなりに親しくならないと名前では呼ばない。
親しくなっても年上なら決して名前では呼ばない。
「斎藤哲生」を哲生とは呼ばない。
名前を呼び捨てに出来るのは相手が年下が同じ年の場合。

この小説も例にもれず、そういう前提になっている。
別れた妻の職業は検事というニクイ設定になっている。

作者のヒット作品、刑事 "ハリー・ボッシュ" シリーズが有名で、読む時は発表順に読んだほうがいいらしい。





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by 2006taicho | 2017-10-24 17:33 | 最近読んだ本 | Comments(0)

「太平洋戦争」アメリカに嵌められた日本

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「太平洋戦争」アメリカに嵌められた日本
マックス・フォン・シュラー (著)

2017年3月 単行本 ¥ 1,512


d0098363_4293090.jpg著者のマックス・フォン・シュラー氏は、米国生まれ、米国籍のアメリカ人である。
1974年に米軍海兵隊として岩国基地に来日。
退役後は、国際基督教大学で政治学を学び、役者、コメンテーターとして日本で活動するが、歴史研究家としての一面もある。
本書は、第二次世界大戦について、今日の日米関係について、あるいは、
世界の状況について、現在のアメリカ人一般がどのように見ているのか、考えているのか、「アメリカ人の本音」を赤裸々に綴ったものである。
圧巻なのは、歴史研究家として、日米戦争の真実を検証し、日本が米国によって巧みに戦争に引き込まれた真相を記述した箇所である。
シュラー氏は、日本人女性と結婚し、現在は日本に住んでおり、日本人が日本の将来を考えるにあたり、米国の本当の姿を知っておいて欲しいという気持ちから本書を執筆したという。


アメリカの外に出てからさらに歴史を勉強して理解したことは、「アメリカ例外主義」と称すべき哲学があることだ。これは、「神様はアメリカを選んだ」という宗教的信念に基づき、「アメリカを世界で最上位の国」と位置付けることで成り立っている。同時に、「神様は最上位の国であるアメリカに世界の国々を支配する使命と、世界の人々をアメリカのキリスト教(プロテスタント)に改宗させる使命を与えた」とも考えられてきた。
白人は他人種を奴隷にしてよいという教えが聖書に書かれている。


(著者が)安芸の宮島に案内したとき、アメリカ人は私の説明に耳を傾けなかった。
つまり、アメリカより古い歴史があることなど訊きたくもない。
知りたくもない。
アメリカが世界一自由で正義の国であり、安保条約で日本をまもってやっている国だから、もうちょっと妥協しろ、アメリカのクルマを買えという論理になるのだ。


日本はペリー来航で鎖国を解いたが、そのわずか20年後、日清戦争に勝ち、37年後には日露戦争にも勝利した。
この驚異的な日本の発展力、軍事力はアメリカには脅威に映った。

第一次世界大戦時、日本は国連理事国であり、連合国側であり、ドイツと戦ったという事実はアメリカでは教えられていないという。(日本でも)

現在、アメリカ国内でも人種差別による犯罪事件が多発している。
白人至上主義だ。
アメリカ人にとって、白人以外の有色人種は自分たちが支配するものだという意識は今だに根強く残っているのは明らかだろう。

イギリスを代表とする、植民地政策時代、アメリカに移住した「開拓者」と呼ばれる人々は元はヨーロッパ人なのだから、自分たちが一番なんだという優越感はそのまま持ち込んだのだろう。
そうして、先住民であるインディアンを殺戮し、黒人奴隷をヨーロッパの奴隷商人から買って、土地を切り開いていった。
そしてキリスト教での宗教支配。
ヨーロッパ列強がやった支配システムと全く同じだ。

ヨーロッパの人々は、自分たちの歴史が世界の歴史だと思っているというのは前に書いたけど、アメリカ人にもそれが当てはまる。
自分の国より歴史がある国は認めたくないのだ。
日本はアメリカの何十倍もの歴史がある。
そして、武力行使をちらつかせ、開国させる手法は今と変わらない。
アメリカが期待したのは、キリスト教の浸透だったが、今もってそれは成功していない。
この部分でもアメリカ人にとっては許しがたいことなのだろう。
フイリピンでは成功したのになぜ、ということになる。

日米安保条約も、本音は「日本の再軍備」を恐れての措置だったという。
アメリカの領土(真珠湾攻撃)を武力攻撃した国は今だに日本以外ない。
そして東南アジアでの日本兵の勇敢な戦い方はアメリカに脅威を与えていた。
米軍基地は米国を守るためにあり、日本を守るためではない。
これらの基地なくしては米軍は地球の半分を防衛できない。

このような、選民思想とキリスト教原理主義による傲慢なアメリカの実態が、つぎつぎと記されてゆく。

つまり、アメリカ人にとって日本という国は、
誇り高いアメリカの領土を攻撃した世界で唯一の国であり、戦争をすると恐ろしい力を発揮し、技術力もあり、アメリカ人の勧めるキリスト教を拒否する、許しがたい国なのだ。

アメリカ海兵隊員の経験もあり、日本人の妻をもつ著者は、だからこそ、日本は主張すべきことは主張するべきだという。
米国に正義を主張すべき時が来ているという。
それは米国が不都合な真実を認めることであると。

日本のリーダーが本気で、毅然とした態度で、おかしいことはおかしいと言えばいいのだということ。



★追記
ヒラリー・クリントンが大統領になっていたら、アメリカ国内では暴動が起こっていただろうという。
学生は奨学金ローンに苦しみ、大学を出ても就職口がなく、盲腸の手術が何百万円で、医療費が払えなくて破産するより自殺を選ぶ人も出ているという。
中間層がほとんどいなくなったアメリカは爆発寸前だという。
殆どの国民は銃を持っていて民間人による軍事組織もあるという。
そういう彼らが立ち上がったら内戦になるという。

エネルギーではシェールガスの革命を言われているが、長くは続かないという。
石油の採掘は千メートルだけど、シェールガスの場合は一万メートルで効率が悪すぎ、捻出される量も少ないからだという。

そしてもう一つは水の枯渇が近いという。
地下水や川からの取水にもうすぐ問題が出て来るだろうという。
アメリカ国内では水の危機が以前から言われているが、アメリカ人はそんなことにはお構い無しで、家の庭の芝に毎日たっぷりの水をやることはやめられないだろうという。




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by 2006taicho | 2017-10-08 06:04 | 最近読んだ本 | Comments(0)

「破獄」 吉村昭

吉村昭の作品、二冊目。


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破獄 単行本 1983
吉村 昭 (著) 岩波書店
Amazon 中古1円






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吉村昭 1927年~2006年(満79歳没)

現場、証言、史料を周到に取材し、緻密に構成した多彩な記録文学、歴史文学の長編作品を次々に発表。

★内容紹介
昭和11年青森刑務所脱獄。昭和17年秋田刑務所脱獄。昭和19年網走刑務所脱獄。昭和22年札幌刑務所脱獄。
犯罪史上未曽有の四度の脱獄を実行した無期刑囚佐久間清太郎
その緻密な計画と大胆な行動力、超人的ともいえる手口を、戦中・戦後の混乱した時代背景に重ねて入念に追跡し、獄房で厳重な監視を受ける彼と、彼を閉じこめた男たちの息詰る闘いを描破した力編。読売文学賞受賞作。


実際に存在した事件を小説化。
戦争と刑務所の実録ものともいえる。

戦争に突入した場合、刑務所にいる囚人達をどう扱うか、刑の軽いもの、重大犯罪者、終身刑の囚人のそれぞれの扱いをどうするか。
食事への不満と運動不足は囚人の大敵。
囚人は騒ぎ出し、最悪の場合は刑務所内で暴動も起きるし、そうなったら看守たちの数ではとてもかなわない。
仮に脱獄したら近隣住民にどんな危害を加えるかわからない。
そうなると近隣住民からの不平不満も刑務所に集中する。

戦争中の囚人たちは一般国民よりはるかに恵まれた食事を保障されていたなんてまったく知らなかった。

囚人を使って軍の飛行場を作らせたり、鉄道や道路など囚人たちが軍の役に立っていたことも知らなかった。
それと戦争になると治安が悪化し、犯罪者は増えるし、一方で看守たちは兵隊にとられるし、ということで警備体制が手薄になっていたことも。

そしてそれは終戦を迎えても、一層激化したという。
刑務所で働く所長をはじめ刑務官は、ただ囚人に厳しく接しているだけではまったく駄目だということが克明に記されている。

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これはほんの一例、小説の主人公の場合、これとは別に特注の独居房が作られた。
房の扉は金属製。
格子は断面が『<』のような形状になっており、室内から廊下を見ることも廊下から中をみることもできなくなっている。
ではなぜ壁ではなく格子なのかといえば、換気と暖房のため。



そういう時代背景の中、4度の脱獄(破獄)を成功させる主人公。
両手両足に施錠をされていても堅牢な独房から逃げ出す。

その手段手法、監視する側の注意をそらす頭の良さ、忍耐強さ。
冬は零下20度にもなる網走刑務所には暖房はない。
それは看守も同じで、長い廊下の中央にストーブが一台あるだけ。
独居房の囚人は、起きている間は正座が義務で、寝る時は顔を布団の中から出して眠らなければならない・・・しかし・・・・。


こういう本当にあったことを1円で読めることに感謝。






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by 2006taicho | 2017-09-25 16:45 | 最近読んだ本 | Comments(0)

滝山コミューン

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滝山コミューン1974 (講談社文庫) 2010
原 武史 (著)
Amazon 中古91円

原 武史(はら たけし、1962年- )
日本の政治学者、放送大学教授、明治学院大学名誉教授。専攻は、日本政治思想史。近現代の天皇・皇室・神道の研究を専門とする。(by wiki)



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東京都東久留米市滝山に存在する、旧日本住宅公団(現都市再生機構)が整備した公団住宅である。


内容紹介
郊外の団地の小学校を舞台に、自由で民主的な教育を目指す試みがあった。しかし、ひとりの少年が抱いた違和感の正体は何なのか。「班競争」「代表児童委員会」「林間学校」、逃げ場のない息苦しさが少年を追いつめる。30年の時を経て矛盾と欺瞞の真実を問う渾身のドキュメンタリー。(講談社文庫)

著者の感じた違和感はたくさんあったが、一つだけ例を挙げると、
キャンプファイヤーでみんなで輪になり、唄を歌っているうちになんだか強い団結意識を感じ、みんな仲間なんだと思い込める不思議な高揚感、これは一体なんだろうということ。
それらは、教師たちが意図し、用意周到に準備された集団意識作りだったことをあとで知る。

当時の日教組は組合加盟が7割を超えていて(現在は約3割)、文科省の指導に批判的な教師が多かった。
日の丸掲揚や君が代斉唱に反対など。
教師の中には安保闘争世代、東大紛争など学生運動をやっていた者が多かったせいもある。

著者の育った滝山団地はその影響を受けて、教師も父兄も革新的だったのだろう。
学級の集団作りの見本となる理論が先にあり、それを忠実に実践した小学校がかつて存在し、消滅したという事実。
1970年代前半の団地ブームが背景で、著者はその時期を小学生として育つが、そのなかで一人違和感をもって過ごした。
その回想のドキュメンタリー。
思えば団地ブームがあり、マイホームブームがあり、マイカーブームあった時代。
団地の間取りはどこの家も似たりよったりで、「友達の家に行っても自分の家にいるようだった」と述懐している。
(著者の世代の10年後、1971年から1974年までに生まれた世代を団塊ジュニアという。)
当時の労働者の組合組織は強かった。
日教組も国鉄も、72時間ストで電車がストップした時代。
親は教育に熱心で、当時は欧米の影響で「個人」が重んじられた。
都会の暮らしは、
どこの家も子供は一人か二人で「核家族」と呼ばれ、個人を尊重し、そのかわり隣の家のことはよく知らない、というようなことが始まった時代かもしれない。
確かにこのころが日本の教育が変わり始めた時期だったと思う。
戦後は終わったんだ、新しい教育が始まったんだという時代だったかもしれない。
教師志望の人や、教育関係者には役立つ本だと思う。

余談ですが、
団地やマンションなどの集合住宅で育った人は、一戸建てに住みたいと思い、一戸建てで育った人はマンション住まいがいいという傾向があるらしい。







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by 2006taicho | 2017-09-14 11:26 | 最近読んだ本 | Comments(0)

観光立国の正体

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観光立国の正体(新潮新書)
藻谷 浩介 (著), 山田 桂一郎 (著) 
2016年 Kindle版 820円




藻谷氏は日本全国の地方都市をすべて見て回ったという実績でこの分野では著名人。「デフレの正体」という本で一躍話題に。わが町にも講演に来て、話を聞きに行ったことがある。
山田氏は先輩格で、観光のカリスマと呼ばれ、ヨーロッパのスイスを拠点に日本の観光についていろんなアプローチをしている。
紹介文では、
爆買い、インバウンド、東京オリンピック……。
訪日外国人の急増とデフレの慢性化で、国策としての「観光立国」への期待が急速に高まってきた。
しかし、日本のリゾート・観光地の現場には、いまだに「団体・格安・一泊二日」の旧来型モデルに安住している「地域のボスゾンビ」たちが跋扈している。
日本を真の「観光立国」たらしめるには何が必要なのか。
地域振興のエキスパートと観光のカリスマが徹底討論。


TVで外国人観光客の実態を見ると、賢い旅行をしているなあという印象をもつ。
たしかにJTBをはじめ、大手旅行代理店の役割は旧態依然としている感じがする。
そしてその旧態依然が、地元の有力者と密接に結びついていたりするのは、一般には知られていないだろう。
この本ではそういう人たちを「ボスゾンビ」と呼ぶ。

「一泊二日・食事付き」という旅行スタイル。
このスタイルの日本人への定着はものすごいと思う。
島で暮らしているとつくづく実感させられる。
一体この発想の貧しさはなんなんだろうと思う。
旅行というものへの発想が、老いも若きもこれほど貧弱なのはなぜなんだろう。

観光地の市町村、地元有力者、地元政治家の弊害は言うまでもない。
観光協会、商工会、なんとか協議会、町おこしなんとか会など、地元の発展を既得権益保護団体と化している例は腐るほどある。

観光協会の会長が自分の旅館を優先してお客を回しているのは、全国でやっている。
ある旅館が「ここにはなんにもありません」というパンフレットを作ったらお客が増えたとか、
あるレストランが「一万円ランチ」を売り出したら予約が殺到したという事例がある。
しかしこういう企画は町のボスたちからは決して出てこない。
発想が採算&利益しかないからだ。
どういう波及効果があるかまでは考えないからだ。
「一万円ランチ」を考案したシェフは
「今まで原価ばかり計算していて、自分の好きな食材を自由に選んで料理したことがなかったけど、これで料理人として目覚めた」
と言っている。

「一泊二食・食事付き」の発想は最近見直しの傾向にあるのも事実。
もう一つは、交通手段の発達で、日帰り旅行者の急増に歯止めをかけるための動きもある。

キーワードとして旅行というのは「非日常」体験ではなく、「異日常」体験だとこの本は述べている。
日本は特に、受け入れ側はリピーターの獲得に無頓着だという。

個人的には観光旅行というのと、旅行というのではちょっと違うと思うし、家族旅行、グループ旅行、旅というともっと違う気もする。
旅行形態によって、受け入れ側の対応がもっと違っていていいと思う。

観光というと一度訪れたらおしまいという発想があるから、リピーターの獲得は難しくなる。
この本でも言っているが、「自分だけの体験・経験」をしてもらうことが、リピーター獲得のキーワードだと思う。
「もう一度来る理由」「また行きたくなる理由」ということ。

山田氏の住む、スイスの例は非常に参考になる。
スイスではガイドの制度が発達していて、お客の様々な希望に対応するという。
ガイドにもレベルの差があり、職業として成り立っているという。
日本では団体旅行のときのガイドさんしか思い浮かばないから、その制度は日本でもいずれ取り入れられてゆくと思う。

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by 2006taicho | 2017-09-12 08:02 | 最近読んだ本 | Comments(0)

高熱隧道 吉村昭

d0098363_2321186.jpg高熱隧道 (新潮文庫) 1967年
吉村 昭 (著) Amazon中古190円

吉村 昭(よしむら あきら)
1927年 - 2006年 享年79歳




隧道(すいどう)とはトンネルのこと。
時代は昭和初期の富山県の黒部渓谷。
黒四ダム建設は、石原裕次郎の「黒部の太陽」が有名だがこれは違う。

この作品の舞台は黒三ダム建設に携わった現場監督たちの物語。
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国家プロジェクトの名の下、前人未到の黒部渓谷は、温泉湧出地帯で岩盤から漏れ出る蒸気は160度を超える。
通常ならあっという間に意識を失うその灼熱地獄の中で、現場監督はどうやったら掘り進められるか苦闘する。
岩盤を吹き飛ばす、発破用のダイナマイトも自然発火で暴発。
泡雪崩(ほうなだれ)という聞きなれない雪崩で頑丈な宿舎が500メートルも吹き飛ぶ。
犠牲者は300人を超える。
犠牲者の肉片を集めて一人の人間にする、そしてその肉片を針で縫い合わせ、遺族の哀しみを少しでも和らげようとする責任者の鬼気迫る行動。
現場監督と作業員(人夫)たちとの微妙な関係。
「死ぬのは俺たちだ、お前じゃない」という作業員たちの無言の圧力。
小説の形をとっているけどこれは凄まじいルポルタージュだ。
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☆泡雪崩(ほうなだれ)とは(by wiki)
多雪地で気温が低く、多量の降雪を伴う吹雪の時かその直後の積雪が安定しないときに起きやすい。そのため、主に厳冬期の山間部で発生する。

通常の雪崩のような雪塊の落下とは違い、雪崩を構成する雪煙が最大で200km/h以上の速度で流下する。その衝撃力は数百キロパスカル(建造物などを破壊するほどの力に相当する)に達し、大きな被害をもたらすと考えられている。

そのため、泡雪崩が発生すると、あまり雪が堆積しないにもかかわらず(通常の雪崩では多量の雪が堆積する)、衝撃によって周囲のものがことごとく破壊されているか吹き飛ばされているという状況が発生する。

この破壊力に関して、爆風が発生すると誤解されることが多いが、実際は、雪煙が空気と雪粒の混合体であるがゆえ生じる衝撃圧による。この誤解は『高熱隧道』の記述によって広まったとされている。





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by 2006taicho | 2017-09-08 03:11 | 最近読んだ本 | Comments(2)

おかしいことはおかしいと言う