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隊長ブログ

知っておきたいこと

奨学金制度 学生を食い物に

2/12朝日新聞 ー全文ー

奨学金800万円重荷「父さんごめん」 親子で自己破産

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東京にいる息子は計800万円余りの奨学金を借りた。うち576万円は有利子で、大学卒業後は利息も上乗せして返してきた。大阪の父親は「入学した時はこんなことになるとは、想像もしなかった」と振り返る(画像の一部を加工しています)


息子がいま働いているマーケティング会社の手取りは月20万円ほど。家賃などを除くと、奨学金を返す4万円が重い。機構に返還猶予を求めたが、年収300万円以下の条件をわずかに超えた。延滞が3カ月に迫り、「個人信用情報機関に名前が載りますよ」と告げられた。20年返し続ける自信がなくなった、という。

 「お前がええんやったら、しゃあない」

家計が苦しくても、「進学したい」という息子の希望はかなえてやりたい――。そう思い、日本学生支援機構の奨学金を借りた。「まさか、こんな形で返ってくるとは」。父親は戸惑い、自らも自己破産する道を選んだ。

 息子が大学に入ったのは09年…






2/12朝日新聞 ー全文ー

奨学金破産、過去5年で延べ1万5千人 親子連鎖広がる

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■奨学金破産

 国の奨学金を返せず自己破産するケースが、借りた本人だけでなく親族にも広がっている。過去5年間の自己破産は延べ1万5千人で、半分近くが親や親戚ら保証人だった。奨学金制度を担う日本学生支援機構などが初めて朝日新聞に明らかにした。無担保・無審査で借りた奨学金が重荷となり、破産の連鎖を招いている。

機構は2004年度に日本育英会から改組した独立行政法人で、大学などへの進学時に奨学金を貸与する。担保や審査はなく、卒業から20年以内に分割で返す。借りる人は連帯保証人(父母のどちらか)と保証人(4親等以内)を立てる「人的保証」か、保証機関に保証料を払う「機関保証」を選ぶ。機関保証の場合、保証料が奨学金から差し引かれる。16年度末現在、410万人が返している。

 機構などによると、奨学金にからむ自己破産は16年度までの5年間で延べ1万5338人。内訳は本人が8108人(うち保証機関分が475人)で、連帯保証人と保証人が計7230人だった。国内の自己破産が減る中、奨学金関連は3千人前後が続いており、16年度は最多の3451人と5年前より13%増えた。

 ただ、機構は、1人で大学と大学院で借りた場合などに「2人」と数えている。機構は「システム上、重複を除いた実人数は出せないが、8割ほどではないか」とみている。破産理由は「立ち入って調査できず分からない」という。

 自己破産は、借金を返せる見込みがないと裁判所に認められれば返済を免れる手続き。その代わりに財産を処分され、住所・氏名が官報に載る。一定期間の借り入れが制限されるなどの不利益もある。

 奨学金にからむ自己破産の背景には、学費の値上がりや非正規雇用の広がりに加え、機構が回収を強めた影響もある。本人らに返還を促すよう裁判所に申し立てた件数は、この5年間で約4万5千件。16年度は9106件と機構が発足した04年度の44倍になった。給与の差し押さえなど強制執行に至ったのは16年度に387件。04年度は1件だった。

 奨学金をめぐっては、返還に苦しむ若者が続出したため、機構は14年度、延滞金の利率を10%から5%に下げる▽年収300万円以下の人に返還を猶予する制度の利用期間を5年から10年に延ばす、などの対策を採った。だが、その後も自己破産は後を絶たない。

 猶予制度の利用者は16年度末で延べ10万人。その期限が切れ始める19年春以降、返還に困る人が続出する可能性がある。(諸永裕司、阿部峻介)


     ◇

〈国の奨学金制度〉 1943年に始まり、現在は日本学生支援機構が憲法26条「教育の機会均等」の理念の下で運営している。2016年度の利用者は131万人で、大学・短大生では2・6人に1人。貸与額は約1兆円。成績と収入の要件があり、1人あたりの平均は無利子(50万人)が237万円、要件の緩やかな有利子(81万人)が343万円。給付型奨学金は17年度から始まり、新年度以降、毎年2万人規模になる。

 高校生向けの奨学金事業は05年度に都道府県に移管されており、全額が無利子の貸与となっている。大学生向けで給付型を採り入れている自治体もある。

2004年から奨学金制度は変わった。
それまでの日本育英会などが合併され独立行政法人に。
当時の内閣は小泉内閣、「民間にできることは民間に」「規制改革が必要」だった。
民間の金融機関が乗り出し、奨学金制度を商売化した。
条件・融資額を緩和し借りやすくしたが、同時に返済条件・取り立ても厳しくなった。
地方の学生が都会の大学に入学し、親の仕送りだけでは生活できない状況があり、その支援策として導入されたが結果はひどい状況になっている。
銀行が参入したら利息を取るのは当たり前、導入当時からその危険性は指摘されていた。
ブラックバイトもその一つ。
大手居酒屋やアパレル大手はそこに漬け込んで不当な条件下で学生を使っている。
親は非正規雇用、子供を大学へ、しかし、お金がない、そして奨学金に頼る。
バイト漬けの生活でなんとか大学を卒業し就職。
そして奨学金返済は否応なくスタートする。
これが本人も非正規雇用での就職だったら返済はおぼつかないのは目に見えている。
ブラックリストに乗ると脅され、消費者金融に走る若者がいても不思議ではない。

そして最後は自己破産。
犯罪の要因にもなっている。

企業の利益は過去最大でも非正規雇用は増え続け、正社員は地位を死守するのに懸命で会社の言いなりにされ、同年代なににそれを分断させ、協調意識を寸断させ、抗議の声を挙げさせないようにもってゆく。

ひとり親世帯も増え、ますますこの制度に頼らざるをえない仕組み。

こういう若者が増え続けているし、対策は遅々として進まない。
日本の教育予算は先進国では最低額。
子どもたち、若者たちを支援する気がない。
それどころか若者たちを苦しめ、生きる意欲を奪っている。

小泉さんと導入を勧めた竹中平蔵氏の政策は誤りだったということだろう。
その彼らはなに不自由ない優雅な生活をしている。
貧困は犯罪の温床だ。
これは完全に社会構造の問題だろう。

「教育の機会均等」など知ったこっちゃないという今の政権。
若者の意欲、発想、能力を奪う国に未来はない。




by 2006taicho | 2018-02-13 22:22 | 知っておきたいこと | Comments(0)

おかしいことはおかしいと言う


by rei7955