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隊長ブログ

近況

鈴木三重吉

ああちゃん!

むやみと

はらっぱをあるきながら

ああちゃん と

よんでみた

こいびとの名でもない

ははの名でもない

だれのでもない 



    鈴木三重吉 1882年 - 1936年

 


いつだったかおぼえていないけれど、この詩はなぜか非常に印象に残っている。







鈴木三重吉_d0098363_22272560.jpg

















ああちゃん、とは誰なんだろうか。
母でなければ、兄弟か姉妹か、友達か。
でも作者は誰でもないと言っている。

これから出会うかもしれない人のことなんだろうか。
それとも、これは人ではなく、助けを求める救済の言葉なのかもしれない。
自分の内面にある言葉。
英語で言えばHELPなのかもしれない。
そう思わせるのは
むやみと はらっぱをあるきながら
と言っているからだ。
主人公の性別も不明だし、年齢も不明だ。
読む人の想像力にまかせている。
むやみと 原っぱを歩くのだから多分年齢は若いだろう。
少年か少女か。
なにがあって むやみと原っぱをあるいたのだろう。
その部分に惹かれて印象に残っている。

by 2006taicho | 2017-02-07 22:34 | 近況 | Comments(0)

おかしいことはおかしいと言う


by rei7955