近所の景色/無能の人 つげ義春 ちくま文庫 2009年出版
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昔、貸本屋があったことを知っている人には欠かせないつげ義春。
今のコミック本とはまったく違う作品。
当時も漫画といえば、少年少女の胸躍らすようなストーリーが主流だったので、当時から異色の漫画家だった。
つげ作品に出会ったのは20歳のころ、結構衝撃的だった。
代表作の「紅い花」と「ねじ式」
とにかく暗い、そして主人公は極貧。
読者に受ける作品というものから一番遠いところにいるなあ、という印象。
私小説を、リアルな描写で漫画として描いているところがほかにはなかった。
水木しげるは妖怪を扱ったが、つげ義春の場合は自分の私生活。
もうひとつは彼は幼少のころ伊豆大島で暮らしている。
父親が旅館の板長で、そのころがつげにとって一番幸せな時期だったらしい。
父の病死から次第に生活は苦しくなり、母親と妻を立て続けに亡くし、子供は統合失調症で、自分自身もさまざまな病気に襲われる。
現在79歳。
by 2006taicho
| 2016-11-30 00:33
| 近況
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