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隊長ブログ

近況

喪中はがき

年をとったことは自覚している
髪の毛は絶望的だし
体力は衰えてきたし
物忘れもするし
そういうこともあったなあと思うし
同級生に会えば病気の話から始まるし、
立ち上がるとき「よっこらしょ」とは言わないけど、よろめくときがあるし・・・・・・・

一昨日、年賀状を買ってきた
改めて数えるとまだ10枚足りない
それで今日また年賀状を買ってきた

帰ってくると郵便受けに一枚の喪中はがき

差出人は女性の名前 この苗字
Aさんだ
 
十二月四日 六十四歳 永眠


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Aさんは高校のひとつ先輩、高校時代から世話になった

大島高校がわれわれのせいで、治安悪化を理由に三日間休校になったとき、アドバイスをし、はげましてくれた
「ずっと問題になっていたんだから、チャンスと思ってお前がやれ・・・・・・」

当時四つあった中学をまわり、説明し、三年生たちにアンケート用紙を配った
東京都のお偉いさん、校長先生、担任、他の教師たち、同級生の白い目、世間の白い目、自分の進路への不安

「普段、思っていることを正々堂々といえばいい」
高校三年生のわたしをそうはげましてくれた
要求通り、翌年から普通科と農林科のクラス数が入れ替わった



東京にいってからも、あの下北沢の学生寮を訪ねては、朝まで語った
ダビンチの話 ゲーテの話 絵画の話 物理の法則、宇宙の話
正面からとらえる考え方、正面からの生き様
「ウイスキーはロックかストレートだよ」

Aさんの家はとても大学に行きたいといえる状況ではなかったらしい
アルバイトをして一浪して都立大学に
そして都立高校の先生に

最後に会ったのは、十数年前
息子が高校三年のとき、練習試合をした
対戦相手である都立高校野球部の監督がAさんだった
それが最後だった

毎年の年賀状だけのつきあい

Aさん
清貧を旨とし、卑屈なところはひとつもない、驚くほどの知識人だった
私の生き方の基準の人だった



by 2006taicho | 2015-12-18 23:00 | 近況 | Comments(0)

おかしいことはおかしいと言う


by rei7955