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偽りの薬 バルサルタン臨床試験疑惑を追う  毎日新聞科学環境部  

偽りの薬 バルサルタン臨床試験疑惑を追う  毎日新聞科学環境部  _d0098363_815865.jpg
毎日新聞の二人の記者が、医薬品業界の不正に取り組んだ。
業界ナンバー1のグローバル企業、ノバルテイスファーマの日本法人が、医師とどんな関係にあるか、臨床試験段階でどんなデータを捏造していたかなど、追求してゆき最後は厚生労働省、検察の告発と続く。
今年の3月、ノバルテイス社は15日間の業務停止命令を受けている。

この事件はあのstap細胞事件と重なってしまった。
マスコミは小保方氏と理研のせめぎあいばかりを記事にしている。
しかし、こちらのほうが、本来は社会に及ぼす影響は計り知れない事件なのにstap細胞事件に主役を奪われてしまった背景がある。

医師と医薬品業界はきっといろいろあるんだろうなあ、とは思っていたが案の条という感じ。
特に医師は専門性が高いから、一般の人にはわからない部分が多い。
そしてその道の「権威」という称号を得れば、身分が保証され業界での影響力を持つことができる。
医薬品会社はそこに目をつけて、その「権威」を大いに利用する。
自社の薬の有効性をPRするため、研究費を提供し、権威ある医師を取り込んでいく。
恐らくこんなのは氷山の一角。
製薬会社は当然、政治家にも献金しているから(厚生労働省を中心に)、これからもいくらでも不正事件はあり得る。


別の本では、こんなこともある。
国は人間ドックを企業に義務付けているが、これは新たな患者(顧客)発掘制度。いろいろな検査を受けさせ、基準値を決めているが、患者が思うように増えなければ、厚生労働省に圧力をかけて、数値を高めて検査に引っ掛かるようにしている。
病院の近くに薬局があるが、あれを止めて、病院の中に薬局を設置すれば何十億円の医療費削減になるという。
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医療業界の不正には、もうわれわれは驚かないだろうと思う。
本当のメスを誰かが入れなければならない。


人間の「いのち」さえも利害の犠牲になっている。

思えば「健康なら医者はいらない」のだということに思いが至る。

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by 2006taicho | 2015-06-19 08:50 | 最近読んだ本 | Comments(0)

おかしいことはおかしいと言う


by rei7955