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隊長ブログ

知っておきたいこと

原発のうそ 海温め装置


厖大な温廃水

今日 100 万 kW と呼ばれる原子力発電所が標準的になりましたが、その原子炉の中では 300 万 kW 分の熱が出ています。その 300 万 kW 分の熱のうちの100 万 kW を電気にしているだけであって、残りの 200 万 kW は海に捨てています(図67)参照)。

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私が原子力について勉強を始めた頃、当時、東大の助教授をしていた水戸巌さんが私に「『原子力発電所』と言う呼び方は正しくない。
あれは正しく言うなら『海温め装置』だ」と教えてくれました。

300 万 kW のエネルギーを出して 200 万 kW は海を温めている、残りの 3 分の 1 を電気にしているだけなのですから、メインの仕事は海温めです。そういうものを発電所と呼ぶこと自体が間違いです。

その上、海を温めるということは海から見れば実に迷惑なことです。
海には海の生態系があって、そこに適したたくさんの生物が生きています。100 万 kW の原子力発電所の場合、1 秒間に 70 トンの海水の温度を 7 度上げます。東京にある河川では、荒川で 1 秒間に 30 トン、多摩川で 40 トンしか水量がありません。
日本全体でも、1 秒間に 70 トンの流量を超える川は 30 に満ちません。
原子力発電所を造るということは、その敷地に忽然として暖かい大河を出現させることになります。
また、7度の温度上昇が如何に破滅的かは、入浴時のお湯の温度を考えれば分かるでしょう。皆さんが普段入っている風呂の温度を7度上げてしまえば、決して入れないはずです。
しかし、それぞれの海には、その環境を好む生物が生きています。その生物たちからみれば、海は入浴時に入るのではなく、四六時中そこで生活する場です。その温度が7度も上がってしまえば、その場で生きられません。

ライフサイクル全体を評価したと言っている原子力推進派の評価では、この温廃水についての考慮はありません。
でも、地球上の二酸化炭素の大部分は海水に溶けており、海水を温めれば、二酸化炭素が大気中に出てきます。
ビールやコーラなど炭酸飲料を温めれば、二酸化炭素がぶくぶくと泡になって出てくるのと同じです。
では、1 秒間に 70 トンの海水を 7 度温度を上げると一体どれだけの二酸化炭素が大気中に追い出されてくるでしょうか? 例えば、15℃の海水を 22℃に温める場合を考えてみましょう。

15 ℃における二酸化炭素の水への溶解度は 2.00g-CO2/kg-water 、 22 ℃のそれは1.62-CO2/kg-water です 8)。そのデータを下に計算すると、それだけで 1kWh 当り 100g になります。
ライフサイクル全体を考えて 22g だなどと言っていた原子力推進派の主張が如何に馬鹿げているか分かります。
もちろん、太陽光にしても風力にしても海を温めることなどありませんので、この効果を考慮に入れただけで、原子力はあらゆる自然エネルギーに比べて二酸化炭素の放出量が多くなります。

「原発のうそ」 小出裕章・著



恐ろしい指摘です。
海が7度も温められているなんて。
これじゃあ、漁業は壊滅でしょう。
関係ないかもしれないけど、確かに魚が釣れなくなっています。
それは実感があります。
それと、釣れる魚の時期がずれています。
by 2006taicho | 2015-06-07 23:43 | 知っておきたいこと | Comments(0)

おかしいことはおかしいと言う


by rei7955