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2015年12月28日

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by 2006taicho | 2015-12-29 02:20 | 近況 | Comments(0)

収穫

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今年最後の?収穫作業。
東京にいたころからだから、もう十年くらいになる。
今年は日照不足で、どこの畑も出来が悪いという話を聞いていた。

まあ、こちらは半分は道楽みたいな感じでやっているので、そんなものかと思う。

ただ、農作業はやり続けたほうがいいと思っている。
春に植え付けをして、肥料をやり、水をやり、雑草を取り、追肥を行う。
夏の日差しの中で、雑草を見てうんざりするが、それでも草刈をやる。
芽が出ればうれしいし、花が咲けば期待する。
蝶々が舞えば、受粉をしっかり頼むよと、声のひとつもかけたくなる。
自分への課題なのかもしれない。
これをやらなくなったら、もう本当の老人だろうとさえ思う。
つまり”生活する意欲”みたなものなんだろうと、自分では思っている。

掘り起こしてみると、意外と出来がいいような気もする。
しかし、やはり食べてみないとわからない。
明日、試食してみよう。




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by 2006taicho | 2015-12-27 01:20 | 農作業 | Comments(0)

読後感想文

「調査報道がジャーナリズムを変える」



読後感。

警察と検察の捜査は、最初からストーリーありきだという。
検察官の作ったストーリーに沿わない証言は無視される。
密室で罵倒され、脅され、時には優しい言葉で、誘導される。
検察のストーリーに合致した自供のみをひたすら迫り続けてくる。
それでも身に覚えがないと容疑を否認し続けるとどうなるか。
逮捕された人物は保釈されず、起訴された後も延々と拘留されることになる。
d0098363_16092788.jpgではどんな人たちがそういう証言をしたか、代表例を挙げれば、
元大阪高検の公安部長だった三井環氏、元特捜検事の田中森一氏、元公安調査庁長官の緒方重威氏などだ。
つまり、検察の内部にいた人たちがそう証言している。

刑事訴訟法では、裁判所は原則として保釈を許可するよう定めている。
しかし、一方で刑事訴訟法は、保釈を許可するにあたって、検察官の意見を聴くよう求めてもいる。
その検察は容疑を否認している被告に対しては”証拠隠滅の恐れあり”などと異議を突きつけ、裁判所も
それを追認してしまう例が圧倒的だという。

実際に証言した人の例だと、佐藤優氏(元外務官僚)512日、鈴木宗男氏(国会議員)437日、三井環氏324日、細野祐二氏190日が拘置所に長いことつながれている。
これはもう異常としか考えられない。
取調べをするのに、どうして一年以上も必要なのか、裁判で犯人になったわけでもない人物に対する処遇として妥当だろうか。
これだけ拘留されれば、どんな人でも仕事や収入は断たれ、生活基盤はめちゃくちゃになる。
そしてなにより、精神的な苦痛に耐えられない。

こういう圧力は容疑者の関係者にも及ぶ。
多くの人たちが参考人として呼ばれ、取調べを受ける。
時には別件での逮捕や強制捜査などの脅しが入る。
特に検察捜査の対象となる、政治資金がらみの事件などは物証が乏しいので、関係者の供述が立証のカギになったりするので、
取調べを受けた人のほとんどが検察の意のままの調書にサインさせられてしまう。

「調書にサインしない人なんて1000人に一人もいないんじゃないか」
と証言している人もいる。

拘留が長く続けば人はどう考えるか
「ここはいったん検察側の調書にサインしてしまおう、保釈を得て、裁判で真実を訴えれば裁判官はきっとわかってくれる」
しかし、この考えは甘すぎる。
日本の裁判は検察の調書に重きを置いて進められる。
裁判で無実を訴えれば「反省の情がない」と量刑が重くなることもあり得るのだ。
弁護側は、供述調書の矛盾を突き、裏づけとなる証拠を明示しなければならない。

ところが、検察が集めた証拠物件は、基本的に検察がすべてを独占し、仮に被告人の無実を示唆するような証拠があったとしても、弁護側がそれに気づいて、開示請求し、裁判官がこれを認めない限り、永久に隠されてしまう。

本来ならば、公判前の段階ですべての証拠が弁護側にも開示されて、同じ証拠に基づいて検察側は被告の有罪を、弁護側は被告人の立場に立った立証活動を繰り広げるのが原則のはずだ。
しかし、現実はそうなっていない。
すべての証拠は検察が独占し、弁護側は容易に近づくこともできない。

狭山事件をご存知だろうか。
1963年起きた誘拐殺人事件の犯人とされた石川一男氏は、1977年に無期懲役が確定し、31年間も刑務所に入れられ、現在は
仮釈放されて社会復帰を果たしている。
これまで多くの著名作家やジャーナリストが冤罪を指摘していて、石川氏も再審請求を求め続けている。
この事件に関しても検察は今もいくつもの証拠を隠し続け開示を拒んでいる。
開示すれば、石川氏の無実が裏づけられてしまうからとしか思えない。
発生から50年以上経った事件の証拠すら、隠され続けているというのが、日本の刑事司法の現実だ。

これはまったくおかしい現実だ。
警察や検察が集めた証拠部件は多くの人手や必要経費をかけたものだ。
その費用はすべて国民が負担している。
つまり、証拠物件はすべて等しく国民に開示する義務があるはずだ。
有罪か無罪か、判決も出ていない人間にも等しく証拠開示しないで行われる裁判が、公平と言えるはずもない。
検察だけが独占する権利などどこにもないはずだ。

日本の裁判の有罪率は99.9%だということをご存知だろうか。
いくらなんでもこの数字は異常な高さではないだろうか。
つまり、裁判になれば被告は必ず有罪になるということだ。
勝訴などいうのは、期待するほうがおかしいとさえ言える。

今の裁判は、検察の意向に沿うだけの”装置”に過ぎない。
従って、検察が起訴するかしないかが事実上の”判決”となってしまっている。
裁判所はせいぜい”量刑を決めるだけ”のものでしかない。

ひとつの例を挙げれば、警察が申請する”礼状”がある。
逮捕礼状とか家宅捜査礼状だ。
これには裁判所の許可が要る。
果たしてその却下率はというと、ゼロコンマ数%である。
つまり出せば、許可されるという自動券売機みたいなものとなっている。
礼状の中身のチェックなどはされていないことがわかる。
礼状が降りない確立は1000件のうち1件というのが現実だ。


最近の例では、障がい者向け郵便割引制度不正事件で逮捕起訴された村木氏の場合、彼女は証言している。
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「私が事件に関与したという直接の記述がある。同僚らの調書だけで30~40通もある。大変ショックでした。
私だけが記憶喪失になってしまったのかと思いました。調書は非常に整合性が取れていました。」
検察のターゲットにされた場合、ストーリーを作り上げ、当人の周辺関係者も事前にリストアップされている。
そして任意に出頭を求め、検察の意に沿った調書を作り上げ、証拠とし、「お前の同僚はこう言っているぞ」と本人に迫る。
拘留されていれば、本当かどうか同僚らに確認することはできない。
この事件の場合は、検察がフロッピーデイスクの改ざんが明らかになり、村木氏は無罪となる。
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東京地検特捜部と聞くと、市民の意識は「不正を暴く正義の味方」のイメージがある。
それを裏付けたのはリクルート事件である。
1988年リクルート社が子会社の未公開株を使って、政財界の要人たち多数が濡れ手で粟の大もうけをした事実。
リ社から44人の政治家に23億円ものカネがばら撒かれ、政治家、財界人、役人20人が起訴され、全員有罪となった事件。
そして時の竹下政権が崩壊した事件である。
この事件の発端は、朝日新聞川崎支局の、入社1~2年目の新人記者の取材からだった。(特捜部は新聞報道で捜査に着手した)
当初は、川崎市役所の助役がリ社から賄賂を受け取っていたというものだった。
検察特捜部が捜査に乗り出し、あっというまに中央政財界の事件へと発展した。
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助役の疑惑と並んで、朝日新聞川崎支局では、中央政界の森喜朗(当時元文部大臣 その後首相に就任)が、リ社から未公開株をもらい大もうけをしている事実をつかんだ。
支局員は世田谷の森邸に張り込み、夜ほろ酔いで車から降りてきた森に聞いた。
森は、「ああ、もらったよ、江副君が、近く公開するから、多少の小遣いになるだろうと言ってね」
記者はあまりにもあっさり認めたので拍子抜けさえ覚えた。
本来なら、すぐ記事にすべきだったが、当時の担当デスクはこう考えた。
「森のこの証言を報道すれば、きっと他の政治家には逃げられてしまう、もっと確たる証拠を集めてから一網打尽にしよう」
森へのインタビューの数日後、産経新聞にはこういう記事が載った。
「森代議士も受領 近く公開するとは知らなかった」という森本人のコメントが載っている。
朝日新聞の記者の録音テープには、「近く公開するから多少の小遣いにはなりますよと江副君に言われた」と録音されている。
つまり森は翌日、事態の深刻さに気づき、普段懇意にしている産経新聞の記者を呼んで書かせたということだった。
朝日新聞は翌日、録音テープの証拠を元に、産経の記事に反論した。
しかし結局、森は起訴されなかった。(録音テープは今も保管されている)
いずれにしろ、このリクルート事件で検察特捜部の威光は知れ渡り、市民の信頼は一気に高まった。
d0098363_16261850.pngリクルート事件は、メデイアが調査報道の重要性に改めて気づいた事件だった。
同時に、メデイアは検察批判は侵してはならない、という暗黙の了解ができあがった。

「調査報道」のさきがけはあのウオーターゲート事件だ。
時の大統領を辞任にまで追い込んだ記事は世界中が驚愕した。
日本の先駆者は1976年に発表された「田中角栄研究 立花隆」だ。



検察と裁判所への信頼は揺らぎ始めている。
それは、検察の裏側を証言し、それを記事にする記者がいて、報道する機関が存在するからだ。
今、求められているのは裁判所への冷静な取材だと思う。
冤罪となった人たちは裁判官の判決によって人生を狂わされた。
メデイアは裁判官へのインタビューはほとんど行っていない。
なぜだろう。
難しい試験を突破した超エリートだから、一般人とは違う、裁判官の下した判決は正しい。
こういう認識が常識になっている。
まるで江戸時代のお上(おかみ)のような認識だ。
裁判官は国家公務員であり、市民の納税によって生活は成り立っている。
最高裁で冤罪が確定したら、せめて謝罪のコメントを出すべきだろう。
人の人生を狂わせて、一言もないのはおかしい。
裁判官の個人名で出せ、ということではない。
最高裁の長官名でいい。
組織の長としてそれくらいはやるべきだ。
そうでなければ、裁判所がよく使う”人道的に許されない”という言葉を使う資格もない。




こういう実態だから、取調べの可視化は全面的に認められなければならない。
一部可視化では必ず問題が起きるだろう。、
警察・検察の抵抗は相当なものだろう。
供述調書に重きをおく現在の公判の進め方は、問題がないとはとても言えない。
改革の余地が十分ある。

検察が独占している証拠部件も、原告、被告の両者に等しく開示すべきだろう。
逮捕、拘留、起訴、公判 判決の手続きに疑問を持つ市民は少数だろう。
普段、まったく縁のないことだからだ。

事件・事故ばかりを伝えるニュース報道ではだめだということだ
国民は、取材報道の重要さをもっと認識すべきだろう。
それにはメデイアへの厳しい視線も必要だろう。
記者が記者であることをもっと要求するべきだろう。
真実を伝えることが彼らの使命だからだ。



プライバシー侵害、個人情報保護などは市民を守るためのものであるはずだ。
しかし、一方で秘密保護法案やマイナンバー制度は、時の”権力者が市民を管理する”のに都合のよい側面も孕んでいる。
調査報道の環境はますます厳しいといわざるを得ない。
記者の取材に対して、個人情報を盾に取材拒否が簡単にできる環境になっているからだ。

警察と検察はウソやでっち上げをする、という事実は存在する。
ウソやでっち上げで、今も刑務所にいる受刑者も存在するだろう。
隠れるようにひっそりと生活している冤罪被害者・遺族も存在する。
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テレビ・新聞のニュースを鵜呑みにしてはいけないことだけは確かだ。
森氏のように記者を呼んで、自分に都合の良い記事を書かせる国会議員もいて、それでも内閣総理大臣になれるわけだし、それに応じる恥知らずの記者もいるのだから。




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by 2006taicho | 2015-12-26 12:54 | 最近読んだ本 | Comments(0)

澤さん引退

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15歳で日本の代表。
ワールドカップ6回、オリンピック4回出場 現役生活22年。
2年に一回どっちかの大きな大会に参加していることになる。
十分でしょう。
子供を育てるという、未知の世界にも挑戦してもらいたい。(余計なお世話ですが)

なでしこの選手たちの、試合後のコメントは、男子サッカー選手たちはもちろん、他の競技の選手たちにも、いい影響を与えたような気がします。
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by 2006taicho | 2015-12-24 18:43 | News | Comments(0)

調査報道がジャーナリズムを変える 2

「調査報道がジャーナリズムを変える」
田島泰彦 山本博 原寿雄/著 花伝社 発行2011.6.3


この本に掲載された一部を紹介します。
新聞報道の実態を知っていただきたいと思います。
また、現代の「テレビ・新聞の報道」についてどういう姿勢が大切か考えるヒントになればと思います。


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足利事件。


1990年5月、父親に連れられて、足利市内のパチンコ店に来ていた幼女が行方不明となった。
翌朝、近くの渡良瀬川の河川敷の中州から遺体となって発見、犯人は現場から逃走していた。

一年半後、栃木県警が逮捕したのは、元幼稚園バスの運転手、菅家さんだった。
逮捕の根拠は自供と、DNA鑑定だった。

当時は、栃木県と群馬県で、連続して5件の幼女誘拐殺害事件が、発生していた。
反抗の時間帯、手口も似通っていた。
しかし、菅家さんは一件の容疑でしか起訴されなかった。
自供は曖昧、証拠は不十分だったからだ。

菅家さんは一審の途中から無罪を主張したが、最高裁で無期懲役が決定。
しかし検察は、これで少なくても3件の事件は解決したと、胸を張った。

2007年、日本テレビに所属していた記者は、「ACTION」という報道番組の企画に参加していた。
その中で記者は未解決事件を提案した。
それがきっかけだった。

菅家さんは獄中から再審請求を行っていた。
法務省は確定囚との面会は認めない。
したがって、記者の取材は獄中との文通だけが取材の糸口だった。
菅家さんは
「DNA鑑定をもう一度してくれえばわかります、犯人はほかにいます」
と訴えた。

記者は自供調書を暗記するほど読み込み、検証した。
調書では犯人は子供に
「自転車に乗るかい?」と声をかけている。
荷台に真美ちゃんを乗せて河川敷まで行き殺害したとなっていた。
しかし、取材を進めると、まだ四歳の真美ちゃんは、子供が座る専用のカゴが
なければ自転車には乗れないことがわかった。

そんな基本的な事実が、なぜ17年もたってからわかったのか、それは真美ちゃんの遺族が初めて記者の取材に応じたからだ。


事件当時、遺族はマスコミの取材で、家から一歩も出られず、洗濯物も十日以上取り込めない状態だった。
通夜や葬儀には遠慮のないカメラのフラッシュが飛んできた。
そんな辛い状況から何度も転居を繰り返していた。

記者は、遺族の知人を探し出し、手紙を転送してくれるよう頼み込んだ。
遺族にとっては、もう終わった事件だ。
傷口を開くような取材申し込みなど受け付けるはずもない。
手紙は誠心誠意の内容を綴った。




そして、ある日携帯の電話が鳴った。非通知だった。
真美ちゃんのお母さんからだった。
それは抗議の電話だった。
「もう終わったことなのに、何でいまさら・・・・・」
当然の抗議だった。
そういうやりとりをしながら記者は、自転車のことを話した。
すると母親は、「真美は自分では自転車には乗れませんよ、カゴのない自転車でなければ乗れません」
とはっきりと断言した。
実は、遺族は菅家さんの供述を知らなかった。

遺族は初公判を膨張するため、地裁に行くと、刑事に言われたという。
マスコミがたくさん来ているから帰ったほうがいい、プライバシーを奪われた夫婦は
素直にその言葉に従った。

その日から母親は、菅谷さんの供述や、判決内容を記者から知ることになった。
矛盾や捜査の不自然さは、母親がテレビカメラの前に立つ勇気となった。
事件から17年目に夫婦は現場検証に同行してくれた。
そして真美ちゃんが、専用のかごなしでは自転車には乗れないことを、今度は確信を込めて証言した。

その後、記者は日本テレビで、DNAの再鑑定を求める報道を続けた。
そして高裁でついに再鑑定の決定が出た。
菅家さんのDNAとブラウスについた血痕のDNAは違っていた。
まったくの別人だという鑑定が出た。


検察側はその鑑定方法についても、独自の鑑定を行った。
しかし菅家さんと同一のDNAは出てこなかった。
驚いたことに当時は、被害者である真美ちゃんのDNA鑑定もしていなかった。

母親は
「もし、菅家さんが無罪であるなら、早く軌道修正をしてほしい、捜査が間違っているんであれば謝るべきです。(捜査は)誰が考えたっておかしいでしょう・・・」
母親は検察官に向き合い、直接そう訴えた。
記者をそれを電波に乗せた。

放送から四日後、突然、菅家さんは釈放された。
母親が検事に伝えたあの言葉が、釈放につながったと、後で検事は母親に伝えた。
釈放の決定が出ると、マスコミは大挙して刑務所前に陣取り、上空にはヘリコプターまで旋回していた。

お上が間違えるはずがない、と言っていた記者たちだ。
菅家さんは冤罪ではないかと記事にしていた記者が、この中に何人いただろうか。




この事件は、検察も裁判所も誤りを認め、頭を下げた稀な事件だ。


別のページには受刑者の証言が載っている。
「刑務所にいれば大体わかる、毎日生活をともにしていればわかる、まだまだ冤罪はありますよ」
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by 2006taicho | 2015-12-24 18:08 | Comments(0)

調査報道がジャーナリズムを変える 1

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「調査報道がジャーナリズムを変える」
田島泰彦 山本博 原寿雄/著 花伝社 発行2011.6.3


この本に掲載された一部を紹介します。
新聞報道の実態を知っていただきたいと思います。
また、現代の「テレビ・新聞の報道」についてどういう姿勢が大切か考えるヒントになればと思います。




1999年10月 埼玉県のJR桶川駅前で女子大生が刺殺された事件。
桶川ストーカー殺人事件
21歳の美人女子大生、マスコミは飛びつき、上尾署に詰め掛けた
会見は、一通りの説明が終わると、なぜか話は女子大生の服装や所持品に及んだという。
黒いミニスカート、厚底のブーツ、プラダのリュック、グッチの時計・・・・。
日ごろ、内容を隠したがる警察にしては妙に細かい情報だった。
さらに、夜回りをかけた記者たちに警察幹部は
「あれは風俗嬢のB級事件だからね」
「プレゼントをねだった女子大生トラブルだ」
と伝えたという。
マスコミは見事にこれに乗っかった。
記事の見出しはこうだ。
<刺殺された風俗嬢女子大生> <ブランド依存症>




取材を進めていく中で二人の友人が証言してくれた。

「報道は全部うそです、彼女は一時交際していた男からストーカー行為や嫌がらせを受けていたこと
、追い詰められた彼女は、命の危険まで感じていて、<私が死んだら犯人はこの男><全部メモしておいて>と、まるで遺言のように伝えていたのである。

取材を進めると風俗嬢などではなく、どこにでもいる普通の女子大生であった。
詩織さんを脅かし続けていたストーカーは、複数の手下まで使い、グループで嫌がらせを行っていた。
誹謗中傷を書いた1000通を超える大量の手紙を、父親の会社に送りつけていた。
自宅の周辺や学校には、詩織さんの写真を印刷した大量のビラを配っていた。
別れたいというと、ストーカー本人を含む男三人に家まで押しかけられ、「おまえは来年は迎えられない」と脅されていた。

命の危険を感じた詩織さんは、上尾署に駆け込み相談をすると、「男女の問題だから」とつれなかった。
中傷のビラを見せると「ほう、いい紙使ってるねえ」といわれた。
それでも何度も何度も上尾署に行き、ついに名誉毀損の告訴状を提出した。
上尾署はそれを受理したものの、ほとんどなんの捜査もしなかった。
そして、詩織さんは殺害されたのだった。



「告訴状」というのは「被害届」と違って、受理した以上は捜査しなければならない。
報告義務も厳しい。それなのに、捜査せず放置した挙句起こった事件。
上尾署にとってこの事実は隠しておきたい爆弾だった。
会見では「被害届」を被害者から受理しておりますと発表した。
「告訴状」を受理していたとは発表していない。

事件後、上尾署は手のひらを返すように詩織さんの家に刑事を常駐させた。
警備と心のケアのため、という説明だったが、これで遺族とマスコミは分断された。
遺族とすれば、警察は信頼できないし、娘の名誉をズタズタにされたマスコミはなおさら信頼できない。
(真実を述べる場がなくなっていた)


記者はここまでの記事を雑誌FOCUSに連載していた。
ストーカーグループに焦点を当てた記事はFOCUSだけだった。
上尾署はこの記事については完全に無視し続けた。




犯人が逮捕されれば、詩織さんの告訴状を放置していた事実が問題になる事件。
警察が積極的に捜査するかどうか、疑問を持った記者は独自に犯人探しを始めた。
詩織さんの遺言メモを頼りに捜査していった結果、男が池袋の風俗店の経営者だったことを突き止める。
そして実行犯は男の部下Kであることもわかる。
Kの居所を探し続け、カメラマンと張り込み、ついに撮影に成功する。

即、記事にしたいところだが、それでは主犯をはじめ他のメンバーが逃げてしまう。
一週間迷った挙句、上尾署に面会を求める。
しかし、記者クラブに所属していないという理由で、記者との面談は拒否されてしまう。
仕方ないので友人を介して情報を伝えてもらう。
しかし、上尾署は犯人をなかなか逮捕しなかった。
(告訴状を受理していたことがばれてしまうからだ。そんなことが許されるだろうか。人が一人殺されているというのに。)


我慢の限界を超えた記者は、ついにストーカーたちの写真の掲載を決意する。
最後の”‘誠意”として、締め切り前日に上尾署に乗り込んだ。
だがこの日も取材拒否。
記者は署の受付から叫んだ、
「来週発売のFOCUSで容疑者について重大な記事を掲載します、内容はすでに捜査本部がご存知のはずです・・・・・。」

犯人逮捕はそれから数日後、FOCUS発売直前の出来事だった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

記者の追求はこれでは終わらない。

詩織さんの遺言メモにこんな記述があった。
上尾署の刑事が家に来て
「告訴状を取り下げてくれないか」と言ったという。
詩織さんは絶望したという。やっとの思いで提出した告訴状なのに、これで助けてもらえると思ったのに・・・・・

記者クラブの記者ではないため友人を通じて確認してもらった。
上尾署は「そんな刑事はいない、それはストーカーの仕業、ニセ刑事じゃないの」
それを聞いた記者は最初はまあそうかもしれないと信じた。
しかし「そんなことまでストーカーがするだろうか」という疑問を持つ。

記者は遺族に取材を申し込んだ。
遺族の感情はマスコミに対して不信しかないのを承知で。
しかし、意外なことに遺族は取材に応じてくれた。
詩織さんの友人二人がこの記者だけは違うと進言してくれていたからだった。
記者の書いた記事を読んでいて信頼してくれていたということになる。
記者は両親が取材に応じてくれる唯一の記者になった。
そして告訴状を取り下げてくれるように訪ねて来たニセ刑事は本物の刑事だった。
しかも、詩織さんの告訴状の調書を書いたその本人だった。

記者は記事にした。
事件から五ヵ月後、詩織さんの父親がはじめて記者会見をした。
「告訴状を取り下げてもらえないか、と言われた。娘が殺されるまでの上尾署の対応にはまったく納得していない・・・・」
そうはっきり伝えたのだ。

遺族の取材ができないから・・・・
今までそんな立場をとってきた記者たち、これで遺族によれば・・・という大きな記事が紙面を飾るだろうと思った。
しかし、実際は埼玉県版か、小さなベタ記事、ローカルニュースにしかならなかったのである。

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理由はもうお分かりの通りである。
持ちつ持たれつ、の関係だからである。
記者クラブは大手の新聞社しか入れない。
警察はそれ以外の取材には応じない。
警察に都合に悪い記事は書けないのは自明だ。
孤立した状態のこの記者はそれでも書き続けた。




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記事を援護してくれたのは、記者クラブと直接縁のない民放の番組だった。
テレビ朝日の「ザ・スクープ」の当時キャスターだった鳥越俊太郎、TBSのレポーターたちだった。
怠慢捜査の問題点をつぎつぎとオンエアしてくれた。
そしてそれを観た民主党の女性議員が国会で取り上げてくれた。
「これは事実なのでしょうか?」と刑事局長に詰め寄った。

この日を境に事態は大きく動き出した。
刑事が告訴状を被害届に書き換えていたことがわかった。
告訴取り下げどころか、勝手に二本線を引いて届けに改ざんしていたのである。
当然これは、刑事事件となり、三人の警察官が起訴され、県警本部長など二人が処分された。
記者会見で県警本部長や刑事部長がそろって頭を下げたとたん、記者クラブの記者たちは手のひらを返したように、一面トップの記事を書き続け、警察叩きが始まった。



これは、雑誌記者が殺人犯を捕まえたなどという記事ではない。
権力(この場合は警察)がいかに自分たちの都合の悪いことは隠そうとするか、それが殺人事件であっても、体面を守るためには市民を犠牲にしてでも行うという事実があるということを公開することで世論に訴えている。
警察は正しく仕事をしている、それは事実だろう。
しかし、一方でこういう事実もあるということ。
マスコミは正しい報道をしている。
しかし、一方でこういう事実もあるということ。

この記者の素朴な疑問と孤立してもめげずに、正しい報道を目指した姿勢がなければ、この殺人事件はいったいどうなっていただろう。
報道に携わる人間として、その使命を果たすことがどれほど大切か、その勇気と行動力に敬意を払いたい。

新聞やテレビの間違った報道、警察からの脅し、職場や学校での冷たい視線、誹謗中傷、嫌がらせ、うわさの流布、誰が守ってくれるだろか。
明日、自分に、家族に、親戚に、友人や知人に起こらないと言えるだろうか。

「正義感なんて青臭いし、面倒なことは避けなきゃ、会社にばれたら、ラクかラクじゃないか、雰囲気を読むのか、目をつけられるから、穏便にするのか、自分じゃない誰かにと思うか、孤立するのはいやだし、家族はどうなるのか・・・・」
われわれ大人たちは、思いとどまるように誘導されている気がしてならない。
大儀(理由)は簡単だ。
「愛する人のため、家族のため、自分の人生のためだ、止めておこう」
誰もそれを非難できない、権力者の望む市民だ。



相談できる友人はいるか
シンプルなこのコトバがキーワードのような気がする。
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by 2006taicho | 2015-12-24 13:00 | 最近読んだ本 | Comments(0)

喪中はがき

年をとったことは自覚している
髪の毛は絶望的だし
体力は衰えてきたし
物忘れもするし
そういうこともあったなあと思うし
同級生に会えば病気の話から始まるし、
立ち上がるとき「よっこらしょ」とは言わないけど、よろめくときがあるし・・・・・・・

一昨日、年賀状を買ってきた
改めて数えるとまだ10枚足りない
それで今日また年賀状を買ってきた

帰ってくると郵便受けに一枚の喪中はがき

差出人は女性の名前 この苗字
Aさんだ
 
十二月四日 六十四歳 永眠


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Aさんは高校のひとつ先輩、高校時代から世話になった

大島高校がわれわれのせいで、治安悪化を理由に三日間休校になったとき、アドバイスをし、はげましてくれた
「ずっと問題になっていたんだから、チャンスと思ってお前がやれ・・・・・・」

当時四つあった中学をまわり、説明し、三年生たちにアンケート用紙を配った
東京都のお偉いさん、校長先生、担任、他の教師たち、同級生の白い目、世間の白い目、自分の進路への不安

「普段、思っていることを正々堂々といえばいい」
高校三年生のわたしをそうはげましてくれた
要求通り、翌年から普通科と農林科のクラス数が入れ替わった



東京にいってからも、あの下北沢の学生寮を訪ねては、朝まで語った
ダビンチの話 ゲーテの話 絵画の話 物理の法則、宇宙の話
正面からとらえる考え方、正面からの生き様
「ウイスキーはロックかストレートだよ」

Aさんの家はとても大学に行きたいといえる状況ではなかったらしい
アルバイトをして一浪して都立大学に
そして都立高校の先生に

最後に会ったのは、十数年前
息子が高校三年のとき、練習試合をした
対戦相手である都立高校野球部の監督がAさんだった
それが最後だった

毎年の年賀状だけのつきあい

Aさん
清貧を旨とし、卑屈なところはひとつもない、驚くほどの知識人だった
私の生き方の基準の人だった



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by 2006taicho | 2015-12-18 23:00 | 近況 | Comments(0)

TPP

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TPPの合意文書が日本語に翻訳されていないという問題。
全文で2000ページにもなるといわれているTPP合意文書。
官僚も政治家も全文を読んだ人がどれだけいるんだろうか。

政府は``概要``として97ページの翻訳文書を公開しただけ。
戦後70年で初となる、臨時国会も開かないで、年明け早々にやるというが、日本語資料もないのに、野党はいったいどんなつもりでいるんだろう。

日本人の全分野において影響されるこのTPPについて、地方局で取り上げている。
(ただ、こういうToutube動画も安倍政権からの圧力で削除されてきているそうだ)





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           前回衆議院選挙の自民党の公約

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by 2006taicho | 2015-12-18 14:25 | YouTube | Comments(0)

声で検索

CMの影響?でやってみたくなり購入。
ブログを書くときに結構検索するし、まあ普段もわからないことは検索して調べたりするので、と独り言をいいながら注文。

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設置は簡単。ほんとに取り付けるだけ。USBのジャックに差し込むと自動的にインストールが始まって、それが終わると「使う準備ができました」だって。
Googleの検索画面に

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「さわほまれのニュース」と言うと、1秒で下の画面に。
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画面の左上に自分がしゃべった言葉が表示されている。

これはやはり便利。キーボードをたたかなくても検索できるというのは使うほうにとっては面倒くささを排除してくれる。
キーボードだと打ち方を違えたり、カタカナ変換したりと、音声入力の倍以上かかる。
ほかにもやってみると、「〇〇を検索しました」と女性の声でも教えてくれる。
でもすべてではないみたいで声が出てこない場合もある。

これで無料通話のSkypeも使えることになった。
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by 2006taicho | 2015-12-18 12:42 | 近況 | Comments(0)

真実 新聞が警察に跪いた日

d0098363_2252774.jpg「真実 新聞が警察に跪いた日」 高田 昌幸・著

2003年北海道新聞が北海道警察の裏金の実態を暴き、世間が注目。
著者はこの取材によって、新聞協会賞、日本ジャーナリスト会議大賞、菊池寛賞を受賞。一躍取材報道のエースとなった。
しかし、会社の幹部たちは北海道警察と裏で取引を行っていた。
記事に間違いはないのに、訂正を求められ名誉毀損で訴えられた。
最高裁まで行ったが敗れる。
その訴えの本当の意図は別にある。
鉄の結束を誇る警察組織の恐ろしさ。
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新聞記者の実態と、警察との関係がよくわかる。
事件事故が起きれば記者は警察に取材にいく、つまり警察と「いい関係」にいなければ取材ができない。
したがって、警察内部のことを暴くような新聞社は当然制裁を受ける。
それを覚悟で裏金の事実を記事にした。
そして当初は「そんな事実はない」と突っぱねていた北海道警察のトップにそれを
認めさせた。

全国で29万人を擁する警察組織、国家公務員上級試験を突破したキャリア警察官は500人ほどしかいない。
北海道警察には道警本部長数人だけ、地域にずっと住み続ける地元採用の警察官と違い、キャリア警察官は駆け足で北海度を去り、出世街道をひた走ってゆく。
警察組織の上下関係、階級意識は絶対だ。


驚愕の事実もある。

覚せい剤130キロ、大麻2トンが石狩湾新港に陸揚げされ国内に流入したという事件。
北海道新聞が報じたその事件は「道警の泳がせ捜査失敗」というものだった。
しかしそれはそんな生易しいものではなかった。
暴力団関係者が道警の稲葉警察官(暴力団捜査のエースといわれていた)に持ちかけた。
「薬物の密輸を何度か見逃してほしい、その代わり、何度目かに大量の拳銃を入れるから、道警はそこを摘発すればいい」
というものだった。
上司に報告すると「ああ、わかった」と了解があり、計画は動き始めた。
2000年4月と7月に計画通り覚せい剤と大麻が密輸された。(香港から釜山経由)
しかし三回目に来るはずだった拳銃100丁はいつまでたっても香港から届かない。
大量の薬物を手に入れた暴力団関係者は、わざわざ危険を冒さなかった。
道警と税関はまんまと騙された。
当然、稲葉氏は捜査からはずされ、二年後、覚せい剤の使用で逮捕、起訴され有罪になった。
カネや取引を通じて暴力団との関係をますます深めた中での転落だった。
道警はさまざまなやらせ捜査の発覚を恐れ、稲葉氏を徹底的に切り捨てた。
どれほどの悪徳警官だっかをマスコミに喧伝した。
稲葉氏はいくつものやらせ捜査に手を染めたことを法廷で明らかにしている。
しかし、それが大きく報道されることはなかった。
刑期を終えて出所した稲葉氏は自分の体験を綴った「恥さらし」という本を出版した。
道警はこの本を完全に無視している。

新聞記事には「発表報道」と「取材報道」があり、今の新聞は発表されたものをそのまま掲載している記事が多すぎると著者は言う。
われわれは、新聞記事はすべて取材記事だと思っている。
しかし、そこで仕事をしている人たちにとって、発表したものをそのまま書くだけでは`取材`とは言えないのだ。


秘密保護法案もますます取材のしにくい状況を作り出している。
著者の危惧は、われわれとは比べものにならないほど説得力がある。
情報を扱う者として、国家権力と戦った者として、確実に日本の社会の闇は深くなっていくと警鐘を鳴らす。


報道されない重要なニュースは誰かの意図で闇に葬られる。


司法の独立などを信じてはいけないと改めて思う。
最高裁長官は時の政権・総理大臣が決めていることを忘れてはいけない。
判事や裁判官などはその配下にいる。


047.gif 蛇足
沖縄の普天間基地の跡地にデイズニーランドをという話があり、信じられないことに官房長官が「全力で協力する」と言っている。
辺野古訴訟のこの時期にというのももちろんだが、特定の企業を政府が応援するなどということがあっていいのだろうか。
ユニバーサルジャパンなどほかの企業はどう思うだろう。
日本にデイズニーランドが二つも必要とはとても思えない。
それでも若い人たちを中心に大喜びする人間もいる。
楽しいことならなんでもいいという日本人が生産されている。
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by 2006taicho | 2015-12-17 04:00 | 最近読んだ本 | Comments(0)

おかしいことはおかしいと言う