前川氏の講演会

「夏休み明け、死にたいくらい辛いなら、学校に行くな!」前川喜平・前文科省事務次官が子供たちに呼びかけ
2017年09月01日 HARBOR BUSINESS online ー全文ー

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“学校に行かない”キャンペーンをしたいくらい
「日本中の、学校に行きたくない子供に言いたい。死にたくなるぐらいの気持ちがあるのなら絶対に学校に行くな!」

 前川喜平・前文科省事務次官が8月20日、東日本大震災の被災地・宮城県南三陸町で行われた講演会でこう呼びかけた。その講演会とは、東北6県の高校生約50人が参加した「U-18東北次世代リーダーカンファレンス」(NPO法人「キッズドア」主催)。

 前川氏はこう続けた。

「『学校はどうしても行かないといけない所』という強迫観念が日本中を未だに覆っている。これをいかになくすのかが大事です。“学校に行かない”キャンペーンをしたいぐらいです。これから2学期が始まります。(夏休み明けが)本当に危ないのです」
※講演のときはまだ夏休み中

学校に行くのは、子供の「義務」ではなく「権利」
 男子高校生が前川氏に質問をした。

男子高校生:僕の学校に『学校に行かないといけない“義務”がある』という先生がいるのですが、それで学校を休めなかったりして心を痛めている人が友達にいます。どういうふうにお考えですか?

前川氏:「死にたいぐらい学校に行くのが嫌だ」とか、「またいじめられてしまう」とか、ものすごく辛い思いをしながら学校に行っている子供は多いわけですよね。いじめによる自殺は後を絶たない。学校に行って、死にたくなるくらいの思いをするのなら、絶対に学校に行くべきではない。

 自分の命が絶対に大事なのであって、命よりも学校に行くことを優先する考え方はまったく馬鹿げています。義務教育の「義務」というのは、親のほうの義務なのです。憲法第26条第二項、「すべての国民は法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負う」とあります。

 つまり「保護する子女に受けさせる」というのは、「親が子に対して教育を受けさせる」ということ。義務教育の義務が課されているのは親、保護者のほうなのです。

子供は権利者なのです。「(憲法第26条にある)すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」とある。子供は権利者なので、これを「学習権」と呼んでいるわけです。
 その学習権は、学校に行かなければ満たされないのかというと、そんなことはない。学校以外にも方法がある。だからフリースクールが存在しているし、フリースクールで学んで立派な社会人になった人もたくさんいる。学校がすべてではない。

 むしろ、学校に行ったら死にたくなるぐらいなら、絶対に行ってはいけない。そんな危険なところはないでしょう。命をかけてまで学校に行くべきではないんです。だから、学校外で学ぶ場を正面から認める法律ができたんです。

 学校に行けないこと、行かないことに負い目を感じる必要はない。「何か悪いことをしているのではないか」とかという気持ちを抱く必要はまったくない。もっと明るく不登校をするといいと思います。私のこの考えは、文科省の中でもかなり異端なのですが、この新しい法律ができたことでだいぶ変わってきています。

不登校の生徒や、学齢期に学べなかった人たちのために、全国に公立夜間中学を
 前川氏は「福島駅前自主夜間中学」という公立夜間中学で、手弁当での講師もしている。

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「公立夜間中学」とは、不登校や貧困などを理由に中学で十分に学ぶことができなかった、15歳以上の人たちが夜間に通う学校だ。各地方自治体が経費を負担して運営している。すでに全国に31校あるが、東京や関西に集中しており、東北や北海道には一校もなかった。そこで「東北にも作ろう」と思い立った民間団体が、まず「自主夜間中学」を福島駅前で週1回始めていたのだ。
 私塾としてスタートして住民や自治体関係者らに必要性を認めてもらい、税金で運営する公立夜間中学の設立につなげようという”二段階作戦”だが、この活動を知った前川氏は自らボランティア講師を買って出ていたのである。東京と福島を往復する交通費も自腹だという。

 前川氏は「人にはいくつになっても学ぶ権利がある。夜間中学は義務教育の最後のよりどころだ」と語る。

「埼玉県川口市や千葉県松戸市、札幌市で公立夜間中学をつくる動きがでています。ぜひ福島市でも動き出してほしい。(全国で12万人いる)不登校の生徒にとって、公立中学のほかに別の中学があることはとても大事です。学校が辛くなったら、行かなくていい。

そして、学齢期に学べなかった子どもたちに教育の機会を与えるために、特別な時間帯に開かれる学校が必要です。私は学びたい人たちが十分に学べる場を作る仕事をしていきたい。前文科事務次官の肩書きがどこまで通じるかわからないが、もしそれがなくなったら『福島駅前自主夜間中学』の前川喜平という肩書きで頑張りたい」(前川氏)

 前川氏の発言といえば加計学園問題ばかりに注目が集まっているが、こうした教育に対する真摯な姿勢にも注目していきたい。
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義務教育をきちんと終えていないまま、社会に出ざるを得なかった人たちに対しての夜間中学。
それはなにも高齢者だけのことではなく、今の若者たちにも存在している。
事情はそれぞれだけど、日本社会の学校に対する常識が一番の問題かもしれない。
学校くらい出ておけよというもの。
その声が国予算に影響する。
そんなものに予算かけるなと。

不登校について。
「義務を果たせない親になりたくない、だからなんとしても子供は学校に行かせなくちゃ」
こういう親は多いと思いますし、その気持はよくわかります。
社会に対して負い目をおうという意識が、子供を無理やり学校に行かせてしまうのではないかと思います。

子供が学校に行きたくないという現実。
学校に行かなければ落ちこぼれになってしまう。
そうなったらこの子の将来は。
親としての義務を果たせない。
この気持に親はどう向き合うか。

前川氏は「死にたいくらい辛いなら、学校に行くな」
子供はそれでいいかも知れないが、親としての対応はどうすればいいのか。
ヒントとしてフリースクールの存在を挙げている。
受け皿はほかにもあるからそっちに行けばいいと親が思えるかどうか。
学校を変えたり、フリースクールなどに通うことで解決するかどうかわからないが、そこで立ち止まっていてもなにも解決しないだろう。
既存の学校スタイルではない、別の形の学びの場が必要なのは言うまでもない。
今の通常の学校スタイルのほうが、少数な存在になるくらいの改革が必要なのかも知れない。
そういう視点が結構重要なのかも知れない。
教育専門家はこのへんをどう考えているのだろうか。

不登校の要因の一つとして、子供の貧困が7人に一人。
学費を払えない、朝食も食べられないという現実。
そしてそれが子供の意識を萎縮させ、いじめの原因、引きこもりの原因にもなる。
最終的に、学力や学歴に影響し格差を拡大させる。

小中高は行くものだという認識がズレたときとの戦いかもしれない。
父子家庭、母子家庭、親の存在も知らず施設で育った子の場合は。
不登校から自殺もあり得る社会。
国はどういう政策をするべきか。

社会には不平等は存在する。
せめて教育を受ける権利、条件は平等に整えておかなければならないが現実は逆方向に。
子供の存在は国の安定にもつながる。
こどもがいなければ国は百年もかからず滅ぶ。
社会保障も年金もゴミの回収など公共サービスもなくなる。
富裕層がいくら札束を積んでも効果はない。
人がいないからだ。
国の教育費に向けられる予算は先進国で最低レベル。
「自分の代は大丈夫」そう思わせることが政府の戦術。
だから改革のスピードは遅々として進まない。
改革を遅らせている人たちも「自分の代は大丈夫」と思っている。

憲法改正、軍隊明記、海外派兵容認、共謀罪。
武力容認の基本姿勢の安倍さんたちの政策で、社会保障や年金や銀行貯金が「自分の代は大丈夫」だと本当に言えるだろうか。
戦中、終戦直後、庶民の預金などはすべて凍結され、自由な引き出しは制限され、GHQと政府の管理下に置かれた。

教育の無償化はだから大事だし、政党支持率アップには欠かせない。
何度も政争の具にしてきて、中身はなにも改革されていないことに気づいておかなければと思う。
子供の教育は、どういう国がいいのかを考える序章だと思う。
それをやってこなかったツケが今、拡大している気がする。

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by 2006taicho | 2017-09-03 15:48 | 知っておきたいこと | Comments(0)