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知っておきたいこと

お金が無くても保険証が無くても病院受診する方法

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お金が無くても保険証が無くても病院受診する方法!

お金が無くて医療費が払えないから、病院の診察に行くことを諦めている人はいないだろうか。

私が所属するNPO法人ほっとプラスには、「医療費が支払えないので病院に通院できない」、「体調が悪くても我慢している」という相談が相変わらず多い。

そして、そう思い込んでいる人々があまりにも多い。

また健康保険料が未納になっており、保険証を持っていない人々も同様で、病院に行けないと思っている人々がいる。
健康保険証が無い場合、医療費は自己負担となり、医療費全般を自費で賄わなくてはならない。
・・・と思っている人々がこれもまた、あまりにも多い。

他にも外国籍の人で、ホームレス状態で、住民票が無くて、失業中で、家族に内緒で妊娠していて、・・・など様々な事情がある人々も病院に行けないと思っている。

ちょっと待ってほしい。本当にそうなのか。

このように病気がありながら、治療をしないまま放置するとどうなるか。
当たり前だが、病気は悪化し、重篤化する。
そして、病気の種類によっては、障害が残ったり、生命の危険がある状態に進行しかねない。

そして、病気については、「早期発見・早期治療」が重要で、言うまでもなく、厚生労働省も推奨するし、日本医師会も推奨する大切な原理である。

だからこそ、どのような状態であれ、病気の「早期発見・早期治療」ができるように、法律も要請している。
そのような市民があらかじめ出てくることを想定して、具体的には社会福祉法で救済措置を用意している。

社会福祉法第2条3項の九『生計困難者のために、無料又は低額な料金で診療を行う事業』

社会福祉法第2条3項の九では『生計困難者のために、無料又は低額な料金で診療を行う事業』を第二種社会福祉事業として位置付けている。
政府は、病院事業者に対して、生活に困っていて医療費が払えない、あるいは医療費を払う余裕が無い人々を受診させてもらえるように事業を設けている。
この届出をした病院は、無料又は低額で医療行為を一定数行うことと引き換えに、税制上の優遇措置を受けることができる。

この届出を行い、いわゆる無料低額診療事業を実施している病院が皆さんのまわりにたくさんあることをご存じだろうか。
また、近年、この無料低額診療施設が全国的に需要があり、増加傾向にあることをご存じだろうか。

特にこの分野で永年にわたり、努力されてきて有名なのは、社会福祉法人恩賜財団済生会である。
皆さんのお住まいの周辺に、済生会○○病院や○○済生会病院はないだろうか。

そして、済生会以外にも多くの病院が無料低額診療施設として登録されている。

たとえば、東京都内の無料低額診療施設は、東京都福祉保健局のホームページに一覧が掲載されている。

他にも大阪府内の無料低額診療施設は、大阪府福祉部のホームページに一覧が掲載されている。

他の道府県については、「無料低額診療施設」を検索し、ホームページを参照いただきたい。

そして、実際に受診される際には、各無料低額診療施設の医療相談室に、訪問または連絡をしていただき、【医療ソーシャルワーカー】、あるいは【医療相談員】と呼ばれる人に事情を話してみてほしい。
これらの相談員は、守秘義務(秘密を守る義務)があり、あなたやあなたの周りの事情を聞いて、それを関係のない第三者に漏らすことをしない。

一人でも多くの人が病気で苦しむことなく、悩みから解放されることを願っている。


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藤田孝典
NPOほっとプラス代表理事 聖学院大学人間福祉学部客員准教授

1982年生まれ。埼玉県越谷市在住。社会福祉士。首都圏で生活困窮者支援を行うソーシャルワーカー。生活保護や生活困窮者支援の在り方に関する活動と提言を行う。NPO法人ほっとプラス代表理事。聖学院大学客員准教授(公的扶助論など)。反貧困ネットワーク埼玉代表。ブラック企業対策プロジェクト共同代表。厚生労働省社会保障審議会特別部会委員。著書に『貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち』(講談社現代新書 2016)『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』(朝日新聞出版 2015)『ひとりも殺させない』(堀之内出版 2013)共著に『知りたい!ソーシャルワーカーの仕事』(岩波書店 2015)など多数。







by 2006taicho | 2017-05-03 06:25 | 知っておきたいこと | Comments(0)

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