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隊長ブログ

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メジャーリーグという組織





アメリカ・メジャーリーグには二つの収益分配制度がある。

一つはBase Plan

各チームの純収入に課税し3/4を全球団に均等に分配され、残る1/4を平均収入を

下回る球団に支払われる。



二つ目はCentral Fund Component

収入の高いチームに課税して、一定の規則のもと収入の低いチームに再分配するという内容。

この制度の目的は、収入の低いチームにより多くの分配金を分配することで収支を改善し、

戦力均衡を促すことにあった。

ところが、チームがポストシーズンに進出できなくなると球団側は有力選手を放出し、

チーム全体の年俸総額を下げて多額の分配金を受け取ることを画策するようになり、

結果的に戦力の均衡は達成できなかった。




そのため、2002年8月に締結された労使協定において、球団側が選手に支払う年俸総額が

一定額を超えた場合、超過分に課徴金を課す「課徴金制度」(Luxury Tax、ぜいたく税)

が導入された。

その結果、2001年以降ワールドシリーズの優勝チームが毎年入れ替わるなど一定の成果を

上げている。



ちなみに米大リーグで昨年の年俸総額が規定を超えたのはヤンキースだけ。

約2569万ドル(約23億3800万円)の課徴金(ぜいたく税)が課せられた。

課徴金は球団から大リーグ機構(MLB)に納められる。

ヤンキースは年俸総額2億2002万4917ドル(約200億2千万円)。

ことし1億6200万ドルの規定額を超えた唯一の球団だった。ヤンキースへの課徴金は、

制度が始まった2003年から7年連続。

支払額は計約1億7400万ドル(156億6千万円)になる。



課徴金の使い道は以下の三つ。上記の二つの制度とは違っている。

1)MLB選手の福利厚生に50%

2)高校野球が組織されていない国の選手育成に25%

3)業界成長基金(IGF)に25%


1)は多分選手の年金などに充てていると思う。

2)はアメリカ国内だけでなく全世界の高校野球を対象にしている。

3)は野球という業界を発展させるために使われる。




数年前、日本のプロ野球で近鉄バッファローズの球団消滅問題があり、選手会側とオーナー側

の意見があわずストライキに突入した事件があった。

2002年同じようなことがメジャーでもあった。

そのときのMLB機構はモントリオールエクスポズ(現在はワシントンナショナルズ)を

1億2000万ドルで買い取り、球団を運営していたこともある。

こういう話を聞くと日本の球団オーナーとは器が違うと思わざるを得ない。



MLB機構は日本のようにパリーグの会長、セリーグの会長、という組織を1999年に

廃止しコミッショナー一人に統一している。だから決定が早い。







オーナー側と選手側の闘いの歴史にも触れておく。

ストライキは過去二度起こっている。

1981年に50日間

1994年には232日間

1994年のストライキはメジャーリーグ最大の危機と呼ばれた。

オーナー側が選手の年俸の上限を決める条項を持ち出し、これに選手会側が反対した。

選手の年俸が高すぎるとファンも同調し、クリントン大統領が調停に入ったがそれでも

妥結しなかった。第二次世界大戦でも中止にならなかったワールドシリーズも中止になった。

結局、上記の2制度を導入することによってストライキは解除されたが、ファンの多くが

しばらく野球から離れて行った。

メジャーリーグもそれなりの闘いを経て今の隆盛があることがよくわかる。





野球という一つのスポーツに参加しているチーム(企業)は運命共同体という方式を

採っている。利益さえも分配する制度を作っている。そして多額の利益を生んでいる

チーム(企業)からはそれ以上に利益を納めるよう定めている。

消滅しそうなチームはコミッショナー(MLB機構)が一時預かり、新しいオーナーが

見つかるまで維持するというやり方。選手もファンも守るというやり方。










話は変わりますが

その昔、こんな書き出しで始まる本を読んだ。

北米、ヨーロッパ、南米、アジア、アフリカという州(県)があり

アメリカ、イギリス、中国、日本という市があり

ニューヨーク、北京、東京という村がある・・・・・・・・・・・・・



その先は忘れた。

いくつかの歴史ある大企業が、大企業としての体制を維持できなくなってきている。

その影響が大きいため、各国の政府はその民間大企業への対応に頭を悩ませる。

公的資金の投入、再建策、雇用問題、国民への説明。





一方では業績を伸ばし業態を拡大させている企業もある。

徹底したコスト意識、効果的なマーケテイング戦略を駆使して

ひたすら利益を追求する。

しかしながらその企業もいつどうなるかわからないという危機意識は

以前よりも強く思っているように見える。




したがって、その経営者は常に満足することを知らない。


どんなに利益を手にしても安心できない。


次の策を日夜あれこれと考え続ける。


彼の満足や安心とは一体なんだろうか。


どうなれば彼は安心し満足するのだろうか。


利益とは・・・・・・
by 2006taicho | 2010-01-29 04:56 | sports | Comments(0)

おかしいことはおかしいと言う


by rei7955